―それだと、綺麗すぎるんです。技巧に走りすぎているんですよ!!
先日テレビをつけたら、そう言っている出演者の声が耳に入った。
俳句の話だった。
俳句にも様々な技法があるらしい。五,七,五という限られた文字の中にいかに凝縮して情景や心情を描くかということを求め、言葉の選び方や並べ方など、試行錯誤して作品を作るのであろう。ところが、美しさを求めて練りに練っていくうちに、技巧が表にたってしまうというのである。確かにそれらの作品を見ると、言葉面は美しいけれども、結果として読む側の心にすっと入って来ない。
この人はこうも言っていた。
―正岡子規は、俳句にできるだけ自然体を求めていたんです。
このことが頭の中に残り、ここ数日考える機会になった。
そういえば、料理の番組を見たときも、こんな話をしていたっけ。
<素材の味そのままをいかに引き出せるかが決め手です>
何でも同じなんじゃないかな・・・そんなことをふと感じた。俳句も、料理も、音楽も、人間も・・・。
<自然である>
このことが何においても一番の魅力であり、そして一番難しいところなんじゃないかな。当たり前のようで忘れやすく、でも何かの時にとても助けになる、そんな大切な言葉に出会えた気がして、今日はちょっと嬉しかった。
PS おしまいに、正岡子規の俳句をひとつ
柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺
<BON!!>
フランス人はよく、”ボン(BON)!!“と言います。この単語自体は直訳すると、英語で言う Goodで、つまり “良い”ということだけれど、日常では、もっといろいろな場面で使われています。
会話の途中で、“さて”はじめようとか、の“さて”とか、独り言的に“よし”など、気持ちの切り替えや、景気づけとも言う自分への掛け声的な感じといえばいいのかな。
私の人生のパートナーはフランス人。といっても、食後に緑茶をすすって、ふぅぅっと落ち着いている姿などをみると、“どうみてもあなたは日本人でしょぉ・・・”と言いたくなる点が多々ある人なのではありますが・・・(笑)、このことは別のときに書こうかな。
ともあれ、私はこの夏結婚をして、これからこのフランス人とドイツに住みつくことになったのです。人生とはわからないもので、昔は外国生活なんて思いも寄らなかったのに・・・。友達に、結婚して何が変わった?とよくきかれるのですが、率直なところ生活のうえではなーんにも変わっていません。ただやはり、フランス人と日本人がドイツに住みつこうというわけだから、日本人同士が日本に住むのとはもちろん勝手が違うということはあります
たとえば、これまで留学生として住んでいた自分と、これから“住みつく”ということになった自分とでは、気持ちの上でだいぶ違って来たり・・。引き締まるというのが適当な言葉かもしれません。
これからドイツに住んでいく上で、これから成し遂げたい、というか成し遂げたほうがいいかな・・・、という当面の課題が少しずつ浮き彫りになってきた気がしています。普段からいろいろ思いつくことはあるのだけど、なかなか腰があがらないというのが私の欠点。そこで、これを機に私も“BON!”と立ち上がり、今回こそ実行に移したいと思っているのです。このコーナーも、その一環として立ち上げてみました・・・・というよりむしろ、ここに書いたからには実行しないとまずい、という自分への戒めといったほうが正直かもしれないけど。笑
いったい誰に話しかけてるの??といわれそうなコーナーだけど、なんのことはない、自分で勝手にしゃべっているだけ。頭で思っているより書いたほうが自分の中ではっきりすることも多いので・・・。
ほかでもなく “ひとりごと” と題したこのコーナー。これから、日常遭遇したことや、そこから思うことなどを気ままにつづって行きたいと思っています。お暇なとき、ちらっと寄っていってくれたら嬉しいです。
理夏子