さすが芸術の街? 3)モスクワ2010 ~ロシア伝説~

随分あいてしまいましたが、Dのモスクワ演奏旅行記 続きです!
さて、紙芝居+バー風ライトアップによるコンチェルト(2011年2月18日の記事参照)の翌日は、Dのソロリサイタル。全日に引き続き、満席のお客さんにいらしていただいた。
今日落ち着いてホールを見渡すと、古いせいか不思議な作りもある。写真の上方の席。(写真をクリックすると拡大されます)

写真でわかるだろうか?2階席が前から順に一列に並んでいるのだ。普通は横か斜めに並ぶと思うのだが、これは前のひとの後頭部を見る形で椅子が並んでいる。バスの座席のようだ。
変である。(・o・)
それはさておき、今日の演奏会は、あの<バー風ライトアップ>がない!!
やっぱりあれは、オールフランスプログラムのための、特別なライトアップだったに違いない。
昨日同様、細かなアナウンスはもちろんアリ。そして、<シャッ>と紙芝居カーテンが空き、D登場。
と、こ、ろ、が
演奏開始して間もなく、チャラリンチャラリン・・・そう、携帯電話である。ちょうど私の前に座る女性だった。
モスクワですら、携帯が鳴るんだなぁと思っていたら、
違う!! やはり本場は違う!! 
ロシアの客は携帯が鳴るとどうするか・・・・・・・・・・?
電話に出る。 (´▽`[]ゝもしもーし  (ロシア伝説1)
必死で弾いているDを尻目に、その女性はなんと・・・
<もしもし、今演奏会中なの、え?良く聞こえないわ。今ね、コンサート聴いてるのよ♪またあとでね!>←会話の内容はもちろん想像である。
などと会話し、電話を切ったのである。
私の左斜め前には、子供連れもいた。さすがはモスクワ人。彼らの準備も万端。子供が演奏会前に、膝の上にせっせと準備していたのは
<お絵かきセット>
である。しかもクレヨンのふたを開けると・・・軽く20色はあった。
揃えすぎだろ。( ̄o ̄;)ボソッ
というわけで、
ロシアの客は、準備万端である。(ロシア伝説2)
この演奏会中、前半だけで携帯が8回は鳴った…..
とはいえ、前半大成功!ショパンでは演奏が終わる直前から手拍子の拍手。ロシアのお客さんはやはり反応がダイレクトである。そして飛び交うブラボーは、なんだかえらく低いどすの利いた声が多い。ウォッカのせいだろうか。
さぁ休憩だ。と思ったら、拍手の中、なぜかホール内のお客さんの一人が花束を舞台上のDにもっていった。Dは、え?まだ前半なのに・・・と半分苦笑いで受け取る。
すると・・・・
ロシアの客は・・・・前に習う。 (ロシア伝説3)
・・・・?
なんと次から次へと他のお客さんが花束を持って舞台へ。Dはカーテンコールで舞台に戻る度に花束を受け取ることになり、嬉しいながらも多少動揺。あの・・・まだ前半なんですけど。
これがその時の模様。花、花、そして花。


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後半はシューマン。
私は緊張のあまり、実はほぼずっと目を閉じて聴いていた。すると、クライスレリアーナ5曲目の冒頭で、ソラソレレッソファ、ドレドラ・・・と続くはずが、
ソラソレレッソファ・・(シーン)・・ドレドラ・・となぜか一瞬の間があった。あわてて目を開けたが何があったのか分からず、後でDに聞くと・・・
いやあ、ソラソレレッソファ、の直後で パシャツ! とフラッシュ付き写真を撮った人がいたんだよ。瞬間的に驚いてさぁ (´~`ヾ) ポリポリ・・・ 
と言っていた。
つまり、ソラソレレッソファッ ――(-_☆)カシャッ!―― ドレドラ・・・となっていたわけである。そりゃぁ、驚くわ。
というわけで、ロシアの客は・・・
思いついたが吉。その場でフラッシュ♪ (ロシア伝説4)
コンサートは大盛況。Dの事をチャイコフスキーコンクール以来、伝説のピアニストとしてずっと覚えていてくれ、再会に大喜びしてくれるお客さんもたくさん。演奏家冥利に尽きると言うのはこういう時にいうのかな・・・と思いながら、
私まで心が温まる思いをさせてもらった2公演だった。
(続く)
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