生きた音楽とは (2)

では、音楽に緊張(変化)を与えるにはどのような方法があるだろうか。
緊張というのは、絶え間ない脈の歩みに、予想外のことが起きると感じられる。
(もちろん、弾いている本人に予想外なことが起きたらだめなので(笑)予想外のことが起きたように聴かせるわけだけど。)
聴き手にとって予想外のことを起こすために、音楽の中にある様々な要素を見逃さず、使っていかなければいけない。
たとえば、Subito Forte、Subito Pianoなどの突然の強弱の変化、あるいはスフォルツァンドやアクセント…これらは思わぬところに強調される音が来ることで、脈に変化が起こる。なにか驚いた時に、脈が一瞬速くなるようなものと言っても良いかもしれない。そう考えると、必要以上の不自然なスフォルツァンドは、驚きすぎて心臓が止まってしまうように、音楽を止めてしまうというのもわかるだろう。
休符はどうだろう。まず、休符は<お休み>ではない。私は生徒に休符も音符の一つだと思ってほしいと、いつも口を酸っぱくして言っている。休符には音楽にふと沈黙を作るだけでなく、
<呼吸>
という、音楽が生きる上で欠かせない役割を果たしているからだ。
文章を息継ぎをせずに読まれたら、聞いている方だって苦しい。音楽も同じ、句読点や、息継ぎが必要なのだ。その息も、落ち着いている時の吸い方と、興奮しているときの吸い方、溜息、驚いた時の息使い・・・それぞれ全然ちがうのがわかるだろう。休符にも、人間の息と同じだけの表情があるはずだ。
この通り、休符でも、それまでの脈や表情にさまざまな変化を与えることができる。
他には何があるだろうか。次回また考えてみたい。
(続く)
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