権利と責任

誰もが自由に自分の意見を公に述べることができるようになったブログの出現は画期的なことだ。それが良い方向で用いられている限りは。
ところが前述したように、今年のリーズ国際コンクールについて、残念なブログを目にしてしまった。
音楽にたずさわる一人として、コンクールを楽しみ、自分なりの感想を記していくことは素晴らしいと思う。たとえば、コンクール審査という一流を選出する観点からは残念ながらどうしても次の予選に進めることはできない演奏であったとしても、もし音楽愛好家の誰かがその演奏を聴き、この人の演奏を自分はとても好きで上手だなと感じ、応援したいと思ってその人を応援する内容をブログに記すとしたら、それは本当に素敵なことだと思う。
ところが、自分が抱いた印象が結果につながらなかったがために、コンクールを”不思議なもの”と評したり、自分のお気に入りの演奏家をほかの参加者と比べ、次の予選に進むことができた演奏家を否定的に書くというようなことをするのならば、その発言には責任というものが伴うはずだ。少しでも否定的なことを書く限り、そこに関係するすべての人がわかる言語で、そして自分のフルネームの署名を伴って書いてもらいたい。日本語という壁に隠れず、コンクール参加者、12名の審査委員、そして同じホールで音楽をわかちあっている聴衆にも読むことができる言語で、自分の署名と共に堂々と発言してもらいたい。
それから、いったいどういう根拠で今回の審査を”やっぱり””相当汚れているらしい”と表現しているのかわからないが、ブログに公言する時点でそれは12名の審査委員の名誉にかかわる。そしてその発言は全力を奮って参加している参加者に対しても、必死で働いているボランティアメンバーにも、音楽を楽しんでいる聴衆にも、そして多大な歴史を持つコンクールに対しても非常に失礼なことだ。
ここで書くほどのことでもないと思うが、審査はまったくの公正をもって行われている。そのブログの内容に驚いているのは審査委員のほうだ。ここまでの1次、2次、セミファイナルへは、演奏で堂々と実力を示した人たちが、公正な審査の元、自分の力で先に進んでいることも言うまでもない。
『自由な発言』には、『責任』が伴う。

リーズ国際コンクール セミファイナリスト発表!

先ほどセミファイナリスト12名が発表になりました。
Ashley Fripp
Ji-Hwan Hong
Heejae Kim
Tomoki Kitamura
Alexander Panfilov
Drew Petersen
Vitaly Pisarenko
Szuyu Su
Jun Sun
Anna Tcybuleva
Yun Wei
Yunqing Zhou
私の予想した12名のうち10名がランクインしていました。この人たちは絶対!と思った7-8名以外は
好みなどの関係でどうなるかな?こっちかなあ、あっちかなあ、と思っていたので、発表された12名は、それはそれで全くをもって
納得!の結果です。
今年のリーズ国際コンクールについて、偶然、日本語で書かれたとても気がかりで、
事実とは異なる内容のブログを目にし、とても悲しい思いをしています。本来はそういうものを
相手にするつもりはないのですが、最初から今日まですべての演奏を聴いてきたものとして、
コンクールの名誉のためにも、全力を奮っているコンテスタントのためにも、
そして本当に大変な毎日を頑張って笑顔を絶やさず、本当に熱心に審査をしている
12名すべての審査委員のためにも、この件に関しては近いうちにブログを出します。
是非読んでいただきたいです。

リーズ国際コンクール 2次予選 (9/4)

30名による二次予選の演奏が終了したところ。今頃、審査委員による投票が行われている。
2次予選はSchubert, Chopin, Schumann, Mendelssohn, Liszt, Brahms, Mussorgsky, Rachmaninov, Scriabin, Stravinsky, Bartók, Debussy, Ravel, Janáček, Granados or Albenizの主な作品から一曲とほかの自由曲を組み合わせて50分から55分という指定。
今回はみなさんの演奏する曲目が多彩で、聴いたことない曲にも出会える!と審査委員もとても喜んでいた。
1次予選をとおして考えることについては、ショパン誌に記事を送ったところありがたいことに内容をOKがでたので、10月号に記載していただくことになった。コンテスタントに求められることを考察してみたので、お手に取っていただけたらとても嬉しい。2次以降ファイナルまでを通しての総括の記事は11月号に記載させていただくことになっている。
下記が演奏を披露した30名(演奏順):結果が出次第、このブログに載せたいと思う。セミファイナルへは12名が進む。1次の結果は、私が予想してみた30名のうち、24名が進んでいた。今回も12名を予想して、楽しみに今その結果を待っている。
1日目:
YOSHITAKE Masaru
GUARERRA Giuseppe
PANFILOV Alexander
BERGIN Jamie
TCYBULEVA Anna
HUH Jae-Weon
ZHOU Yunqing
KATO Daiki
LEE Taek-Gi
2日目:
TARASEVICH-NIKOLAEV Arseny
PARK Joo-Hyeon
SHIN Chang-Yong
HONG Ji-Hwang
SUN Jun
WEI Yun
PISARENKO Vitaly
MORISHIGE Yuka
PRINICIPE Costanza
3日目:
KITAMURA Tomoki
SU Szuyu
WON Jaeyeon
PETERSEN Drew
LEONE Rodolfo
YANG Yuanfan
4日目:
KIM Heejae
DORKEN Kiveli
CHO Jun-Hwi
FRIPP Ashley
LEBHARDT Daniel
LI Zhenni