オレオレ詐欺?

いやぁ、車上あらしといい、パパの駐車違反と言い、車にはいろいろいわくのあるわが家庭。うちは、なにせ、以前おれおれ詐欺もかかってきてるんですよー。 しないで良い経験の数々なら、本当にうちに任せてくれ! (`ヘ´) (自慢してどうする)
とある、のどかな日中。実家の電話が鳴った。
パパ:もしもし?
私役:うわーーーん、どうしようー 
と、電話口にはぎゃんぎゃん号泣する女の子。
私役:事故起こしちゃった、どうしよう・・・わーん、わーん(号泣中)
そこで電話口に警官登場:
警官役:もしもし?お宅のお子さんが車で事故を起こされましてね、相手にけがをさせてしまったんです。ご実家のご住所はこちらですよね? 
・・・と住所確認。ちゃんとあっていたらしい。
パパ:真っ青・・・( ▽|||)サー
その日、私はたまたま友達の車に乗せてもらって出かけることになっていて、パパもそれを知っていた。本当に電話のタイミングが良いというか悪いというか。
弁護士さん役:今から、弁護士とお宅に向かいますので、示談を含めてお話をしましょう。
普段から、ああいうのにひっかかるのはわからん!と言っていたパパも、号泣で電話がかかってきたら、予期せぬことにびっくりしたらしい。パパいわく、
パパ:だって、お前の声に似てたから。(・o・)
号泣なら、誰でも同じ声に聞こえそうな気もするが。……(-。-) ボソッ
でも、そこで少しずつ冷静さを取り戻したパパ。くわしい状況を尋ねたところ、警察役の説明では、
運転していたのは、私。場所は上野
という。
そこでパパは初めて目が覚めたのでした。なにしろ、私はその当時、まだ免許もっていなかったのだ。しかも、私はその当時は実家に住んでおらず、とある事情でその日は上野には500%確実と言っていいぐらい、私がいるはずがなかったのです。
その二つを聞いて、我に帰り、あ、これインチキ電話だ。(・o・)
と気がついたパパ。その後の電話対応で、向こうにもばれたことがわかったらしく、そそくさと電話を切り、えらいことにならずにすんだわけ。
こわいですねぇ。これは、数年前のできごとなのだけど、今もあの手この手で詐欺が続いているみたいだし。そういう記事や番組をみると、いかにも引っ掛かりそうにないと思うのだけど、それは客観的に見ているからであって、事実それが自分に降りかかると、後から考えればつじつまがあっていなくても、その場はパニックになってしまうことはあるんだろうな。
気をつけたいものです。(・o・)
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自分を知る、楽器を知る(6)  プラス方向に弾く

鍵盤を触ったところから、鍵盤の底までの数センチ。この間にどれだけの重さと速度を落とすかで様々な音がでることは、今まで見てきたとおり。この重さと速度を組み合わせたものをエネルギーとここでは呼んでみる。

原則9) ピアノは、下に向かってエネルギ―を送りこむ、いわゆるプラス方向の作業“のみ”で弾く。

当たり前のように聞こえたかもしれないが、実際は音を弱くしたいとか、軽くしたい、やわらかい音が欲しい、などとなると、下に落ちないように、とブレーキをかけたような打鍵をしてしまうケースが非常に多い。こうなると、ピアノを弾く時の基本である<重さを“落とす”>ことができなくなる。
または、短いスタッカートにしたいとき。熱い鍵盤をさわるかのように、ぴょんぴょん撥ねる打鍵を見ることがある。それは、短くしている気になっている“自己満足”でしかなく、本当のコントロールはきかない。
もう少し楽器のことを考えてみよう。
ピアノは指が鳴らしているのではなく、ハンマーが弦をたたいて鳴らしているのだ。そのことを忘れないでほしい。そのハンマーは下から上にあがる。つまり、どんなに軽い音や、弱い音が欲しくても、私たちは鍵盤に対して、エネルギーを下に“送り込む”、つまりプラスの作業をしない限り、理想通りの音にはならない。
弱く弾く、やわらかく弾くというのは、送り込む量を”減らす“マイナスの作業ではない。そうではなく、逆に”少ない“エネルギーを<送り込む>というプラスの作業なのだ。
もっとはっきりと伝えるために、こういう例をあげてみよう。楽譜に四分音符でド、そのあとに八分音符でソの音(先ほどのドのすぐ上のソだとする)が書いてありその後ろに八分休符があるとする。更にそのドとソにスラーがかかっているとイメージしてほしい。それを右手の人差し指でド、右手の小指でソを弾くとする。
言葉だととってもややこしいが、要するに
ドーソッというレガートだ。ソは短め。
実際弾いてみよう。
人差し指でドを弾く時は、鍵盤の底をつかんでいるが、小指を弾く時に手首をあげて、手を(手の甲を)鍵盤のふたの方へ浮かせた人がいるのではないだろうか。
浮かすことがいけないのではない。その方が感じ易ければ、“音の障害になっていない限り”どんな動きをしてもかまわない。ただ、ドーソッというレガートを作りたいという思いから、手をしゃくりあげたのだとしたら、それはレガートにした“つもり”、いわゆる自己満足にしかならない。
ドの時にエネルギーを多く入れ、少なめのエネルギーでソを弾けば、ソの音の方がドに比べて音に勢いが少なくなるので、ドーソッと聞こえる。ソの時は、エネルギーを減らしたのではなく、少ないエネルギーを下向きに入れただけだ。手をしゃくりあげる必要はない。
原則10) ピアノは、いつでも下へと弾く。上に引っ張り上げるのではない。
でも、次の音を弾くために、鍵盤をあげなければならないのではないか、と思った人もいるだろうか?
私たちに、鍵盤を上げることはできない。指先に吸盤でもついてない限り。笑
鍵盤を上げるのではなくて、戻すことならできる。どういうことかわかるかな?
この続きはまた次回に。
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Nのたたりじゃ

えーっと わたくし先日・・・・
コホンッ!(;-o-)o”
こけました。( ̄- ̄)
ハイ。フランクフルトの、とある公園で。
それはそれは見事に手からスライディング状態。
久しぶりですねぇ、こんな いさぎよく(何にだ?)
ドテッ (/・ω・)/
とこけたのは。
だんな(D)のフランクフルトでの演奏会を聴きにわざわざベルリンから行き、その翌日
久しぶりの休日だからとDと散歩に行こうとでかけた日曜の朝。
晴れ渡ってすがすがしく、しかも久しぶりに二人で出掛けた休暇。いつもになく、るんるん♪とはしゃいでいた私は、突然、
ボテっ
とこけたのでした。後ろから歩いて来ていた見知らぬおじさんは、目のやり場に困ったのか、倒れてぴくぴくしている私の横をぬぁんと<通過>したのである。みじめだ、私・・。
で、膝をしこたまぶつけ、Dがとっさに右腕をつかんでくれたがために、地べたに右腕以外の全身がねじれるように落下し、そして手からの着地で、しっかりとすりむき・・・。
そう、散々。((+_+))
砂がしっかり埋め込まれた手を見つめて、私はルンルン♪から一気に
(_ _。)・・・シュン
と落ち込んだのでした。
その数日前に、私の友達の一人、Nちゃんから
<先日演奏会でドイツのとある町に行っていて、そのホテルで、何にもつまづく物も理由もないのに、ぼてっとこけちゃってー。ボーイさんなどが助けに来てくれたんだけど、とにかく恥ずかしかった>
という話を聞いて、
ケケケ (^○^)
と本人を前に、さんざんからかったのであるが、きっとそのたたりに違いない。
何もないところでも転ぶこともあるので、みなさん気をつけましょうーヽ(`△´)/

自分を知る、楽器を知る(5)  耳の大切さ

残念ながら、数学のように、どの重さにどの速度を足すと、こんな音が出る、という決まりがあるわけはないので、それは自分の欲しい音をイメージして、実際出ている音を耳で判断しながら、どういう種類の打鍵をしたら自分の理想の音に近付くかを探していくことになる。
ただ、参考として、こういうことを言っておこう。
原則7)部品が重くなると、動作が遅くなる。
たとえば、二つの押しボタンが目の前にあって、それをできるだけすばやく交互にたたいてほしいと言われたとする。
その手段として、鉛筆と、丸太の棒のどちらかを選ぶように置いてあったら、どちらを選ぶか、それは明瞭だと思う。とかいっておいて、丸太って言われたらどうしよう・・汗
音楽で例を挙げると、オクターヴで、しかもフォルテで上の方から下の方まで早く下りてこなければいけない部分があるとする。フォルテだからといって、全部の力を指にかけたら、指は動きづらくなる。早く行く必要があるからと言って、軽い方がいいからと指だけの重さにすると、力強いフォルテのオクターヴは出ない。
このように、大きい音が必要だから、重さを乗せ、小さいから軽くするというほど、単純ではない。使う部品とそれに加える速度のバランスを見つけるのは、耳の作業になる。ただ、耳で探す前に、

原則8)欲しいと思う音が頭にしっかりとあること。

それを持ってこそ、本当の意味の練習が始まる。

自分を知る、楽器を知る(4) スピード

打鍵のスピードという話をしたけれど、それはどうやって調節するのだろう。
最低限のスピードで良いときは、第一関節から先をちょっと使うだけで良いだろう。
机の上に鉛筆が置いてあったとして、それを<そっと>持ち上げてほしいといわれたら、親指とそのほか何本かの指先で少しはさんで持ち上げるだろう。その時の感覚によく似ている。ほんの少し、指先で鍵盤の底をきゅっとつかむ。
それよりもスピードが必要な時は、第3関節から指先にかけての部分を使ってつかむ。ゆっくりつかむか、早くつかむか、その間のスピードが何段階にも調節できればできるほど、種類が増えるのは言うまでもない。そのためには、手の中の最低限の筋肉が必要になる
更にもっとスピードが必要なら、手首を軸として手でつかむ。ここで大切なのは、手の自然な動きに反しないということ。

手の自然な動き
とはなんだろうか。
たとえば、じゃんけんのグーを作ってみる。この時親指を横に出している人はいないだろう。いたりして・・・(・o・)
なぜかというと、手の平らの中心に向かって5本の指が集まっている状態が、一番自然だから。ついでに書いておくと、手が一番強さを持てるのは、手の中心に集まっているとき。手に力が必要な時は自然と握り拳(こぶし)を作ることからもわかる。
逆にじゃんけんでいうパーのように手をしっかり開いた状態から、指を楽に抜いてみよう。やはり指が手の中心に親指に向かい合うように寄ってくるのがわかると思う。これが手の自然な状態なのだ。

原則5) 演奏する時、できるだけ、手を自然なポジションに戻す

たとえ、和音などのせいで手を開かなければいけなくても、弾いたらすぐ“できる限りの範囲”で自然なポジションに戻す。開きっぱなしほど疲れるものはない。
ショパンの練習曲 作品10の1。右手が開いて大変なイメージがあるけれど、あれは右手に関して言えば、手をいかに閉じていけるかの練習曲。いかに開くかではない。ドソドミと弾いたら、ミを弾いた時には、ほかの4本の指はすでに小指の方に“自然に”集まってきていなければいけない。ショパンは手が小さかった人。彼の曲はどの曲も、本当に見事に、手が自然に集まるように書かれている。
これ以上のスピードが必要な時は、もうわかるだろう。肘を軸にして、肘から指までの部分を下ろすことで加速。5-6メートル先の人に、野球ボールを投げるのをイメージしてみてほしい。さらに、速度が必要な時は、30メートル先の人にボールを投げるような感じ、つまり
背中から加速して指先に送り込む。
ここで大事なことは、

原則6)どんな速度を送る時も“指先は生きている”

ということ。精密な作業は指先をきかせてするのと同じ。指先が死んでいると、速度を送り込んだだけで、鍵盤をたたいたことになってしまう。指先できゅっとつかむのを忘れない。
野球でイメージすると、もっとわかりやすいかもしれない。ボールを遠くに投げるために、腕を振り下ろした時、指は最後の瞬間までボールを握っているだろう。送り込まれた速度を最終的に“指先”が処理しているのは、ボールで考えればわかるのではないかな。
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うちのパパ    駐車違反?!

うちのパパは、なにかと面白い。
ま、私の親であるから当然と言えばそうなのだけど。(^◇^)
つい先日の話。
パパは実家の近くの銀行へと車で出かけた。
近くの路上にちょいと車を止めて、道路反対側の銀行で急いで用事を済ませ、
銀行から出てくると、なーんと愛車が二人の女性警官に囲まれているのが見えた。
そう、駐車違反の切符をまさに切られているところなのだ。(* ̄□ ̄*;
あわてたパパは、すっとんで車のところへ行き、平謝り。
パパ  :す・・すみません・・・
女性警官:ここは、止めてはいけないところです! (;`O´)oコラー!
パパ  :はぁ、本当にすみません。(;_:)
女性警官:とにかく、ここは禁止ですから。
と、謝る彼を尻目に、冷酷にも切符を切り続ける警官。そこで、がっかりしたパパは
パパ  :こんなに急いで飛んできたのに・・・・( ̄o ̄;)ボソッ
と、諦めをこめてつぶやいたのだが、この一言が運命を変えたのでした☆
女性警官:トイレでもだめです!!!
パパ  :ん?トイレ? (・・? ???
女性警官:もぅ、これからは気をつけてくださいね。
と言って、トイレでもだめです!という言葉を最後に、切符を切るのをやめて去って行ってくれたらしい。飛んできた・・がトイレ・・・と聞こえたのであろうか。
すぐ後ろの車にはすでに駐車違反が切られていたらしく、本当にラッキー。
その状況を私に説明するパパがひとこと
パパ:警察が女の人だからよかったのかなぁ・・・
私:(- -) (- -) (- -) (- -) シーーーン
その納得の仕方ってどうなんだ?若~い男性ならともかく、いまさら男か女かというより、どう考えても
トイレに言ってて…..と必死に謝っている(様に聞こえた)パパに
めちゃめちゃ、<せっぱつまった感>を感じて、同情してくれたにすぎない、と思う娘でした。
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自分を知る、楽器を知る(3) 重さ

前回のブログで
私たちがピアノを弾く場合、必要に応じて使う重さとスピードをさまざまに組み合わせることによっていろんな音を出すことができる
という話をした。ここで大切になるのは、“ピアノでいう場合の” 重さとは何か。ということ。
重さを使うということと、圧力をかけるということを勘違いしているケースがとても多いからだ。
重さとは何か。また物理みたいになってしまうけど、それは重力があってこそ生まれるもの。私たちが、地球の真ん中にむかって引っ張られているから、重さというものが生じる。
ピアノの前に座って、ピアノを今弾こう、としているときの態勢を考えてみよう。椅子に座って両腕を鍵盤の上にまだ音を出さずに載せている状態。これは、重力に反していることになるのはわかるかな。なぜって、腕を本当に重力に任せていたら、だらっと下に落ちるでしょう?鍵盤の上に<乗せている状態>、というのは、音が鳴らないようにするために、腕が落ちないように支えている。つまり、筋肉が緊張している状態。
これがわかれば、ピアノでいう重さをのせるという作業は、今支えていた腕を鍵盤に“落とす”、つまり落ちないように腕を支えていた筋肉を“ゆるめる”ということは、わかるだろう。ゆるめることで、体の持つ“自然な重さ”を使うだけだ。それ以上、押したりという“圧力”は全く必要ない。
原則3)ピアノでいう “重さ”は、ゆるめることから生ずる。
でも、必ずしも腕の重さ全部が必要なわけではない。その都度必要な音に応じて、体のどの部分の重さを使うかを変える。
さっきの、ピアノを今から弾こうとする状態をもう一度思い浮かべよう。椅子に座って音が鳴らないように、鍵盤の上に手を載せている状態。もし、指の重さだけが必要なら、この状態から指の付け根(第3関節というのかな)から先の部分をゆるめてぽとっと鍵盤に落とす。指の付け根を含め、そこから腕、肘のほうにかけては、鍵盤に落ちないように、さっきと同じ支えている状態を保つ。
ここで気がついただろうか。本当に“指だけ“の重さをぽとっと落とすことができた人にはわかったと思うけれど、指だけの重さというのは非常に限られている。それを落としただけでは、鍵盤は少し下がるだけで、底まで落ちない。それは、鍵盤に“上に戻ろう”とする抵抗力があるから。指だけの重さというのは、この鍵盤の持つ戻ろうとする力には足りないのだ。もし落ちた人は、指だけの重さではなく押してしまっている。
このことからも、重さだけで音を出すのではなく、最初に書いたように、その時の必要性に合わせた適度な重さに、適度なスピードを加えることで音というものを作ることができるのがわかると思う。
もし手の重さが必要なら、第3関節の代わりに手首から先をゆるめて手全体を指先に落とす。先ほどと同様、手首を含めそこから腕、肘の方にかけては支えた状態を保つ。
腕の重さが必要なら、肘から先を落とす。同様に肘は落とさない。肘が支えの軸になるから。
それ以上必要な時は、体の重さを背中から送り込む。その場合には、背中のさらに後ろ、つまり腰が軸となる。
原則4)ピアノでいう重さ=体の自然な重さ。

どの重さを使うかは、その時々に必要な音による。それについては、次回に!
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自分を知る 楽器を知る(2) 音とは

9月のブログで、このテーマを取り上げた。言葉での説明が難しく、なかなかブログにしづらいとあれ以来苦戦しているのだが、やはりピアノを弾く上で基本になる大切な内容なので、言葉にしてみたい。
ピアノという楽器は、どうやって音が鳴る?
何をいまさら、という文章だけど、一度考え直してみてほしい。楽器を知らずに演奏はできないからだ。ピアノは誰にでも音が出せるので、どうすれば音が鳴るかなど、考えないまま今まで弾いて来ている人は山のようにいると思う。
―ピアノという楽器は、鍵盤を下せば音が鳴る。
と思いますか?
では、鍵盤を人差し指で、できる限りゆっくりと降ろしてみよう。・・・鳴らないでしょう?
―じゃあ、指先に重さをかけて弾く?
ほんとう?
さっきと同じ人差し指で、今度はすっごく重さをのせながら、できるかぎりそぉっと鍵盤を下してみよう。指先にはぐいぐい押してるけど、これも鳴らない。
何が違うんだろう。鍵盤と指にとらわれてしまわず、ちょっと目線を上げてみよう。グランドピアノという楽器は、目の前に長いのがわかる。ピアノを弾くというと、つい鍵盤と楽譜とのにらめっこになってしまうのだけど、ちょっと譜面台の向こうにあるピアノの中に目を向けてみよう。もう一度指で鍵盤を下しながらピアノの中をのぞいてみるとどうだろう。ハンマーが下から上がってきて、弦をポンと叩いて、また下に戻る。でも、ゆーーーっくり下ろしすぎると、弦を叩き損ねて、たたかないまま下に少し降りるのがわかる。
実は鍵盤って、すごく長い。指で弾いているところから、今見たハンマーのところまで長い棒のようなものだ。長い木の棒の手前を私たちは指でおろして、そのおかげで木の棒の向こう側の先っぽについているハンマーが上がる。
そう、つまり、
てこの原理。
てこって、手前を押すほど向こうが楽にあがる。奥の方を押そうと思うと上がりにくい。
原則1)特別な例外を除いて、できるかぎり鍵盤の奥の方を弾くことを避ける。手前の方がコントロールがしやすい為。

では、さきほど重さをかけても音にならなかったのはなぜ?
それは、エスケープという機能が関係してくる。難しい話になりたくないので、少しだけにしぼって説明すると、鍵盤をゆっくり下ろしすぎると、ハンマーが弦を叩き損ねて少しだけ下りるということは実際やってみるとわかるだろう。それは、弦を叩く直前にエスケープという機能が付いていて、それがあることで、ハンマーが弦にあたったままにならないで、下りてくるようにしてあるから。なぜそうしてあるかというと、ハンマーが弦に当たったままになったところを想像すれば分かると思う。ハンマーは綿みたいに柔らかいものでできていて、それで弦を押さえつけると、音が伸びなくなってしまう。シンバルをたたくときに、たたいた後二つのシンバルを合わせたままにしているようなものだから。
ピアノがこういう仕組みになっていることを考えると、いくら重さ”だけ”をかけても、それに最低限ある程度のスピードを加えない限り、そのエスケープのせいでハンマーが弦をたたく前に降りてきてしまうのはわかるだろう。
原則2)ピアノという楽器で音を出すには、打鍵をする“スピード”が一つのカギとなる。
重さをぐいぐい掛けるのではなくて、スピード。
では、重さは使わないの?
もちろん使います。それについて説明してみよう。
ピアノでは、もちろん様々な音の色が必要になる。音の色を変える方法は、和音のバランスとか、音を出すタイミングとか、ハーモニーとかペダルとか・・本当にいろいろあるのだけれど、今見たように音を鳴らすには打鍵のスピードが一つのカギになるという根本から考えると、極端にいえば送り込むスピードを変えることでも音の色を変えることができるわけだ。
逆に、同じスピードを送り込んだとしても、軽いものにスピードを足して送るのと、ある程度重さのあるものに、速度を足すのだと、到着する勢いに違いが出るのは、想像できるだろう。
たとえば、ある大きさの、紙でできた箱と、それと同じ大きさのレンガの石があるとする。それを同じ様に勢いをつけて地面に落としたとすると、落ちた時の勢いが違うのはすぐ想像できると思う。
つまり、もともとの重さ×それに足す速度(エネルギー)で到着点の勢いがかわるので、重さと速度を組み合わせによって、様々な勢いを作ることができるというわけ。
なんか物理みたい・・・汗
なので、私たちがピアノを弾く場合、必要に応じて使う重さとスピードをさまざまに組み合わせることによっていろんな音を出すことができるということになるのは、わかってもらえただろう。
自分なりに、分析してみたのだけれど、こんな感じであっているのかな・・
ふう・・・言葉だけの説明って大変・・・頭がショートしそう・・・((+_+))
・・・続きは次回のブログで♪
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