次回はイン、テンポについてお話しします、なんて書いたのは去年の9月。\(゜ロ\)
それから決して放置していたわけではなく(汗)、自分でテーマを提示しておきながら、難しい議題を出してしまい苦戦しておりました・・。今も苦戦中ですが、今できるなりに説明してみようと思います。
イン、テンポ。これはどういう風に捉えたら良いのだろう。一番危険な間違いは、テンポ通り進まなきゃ、とメトロノームにあわせて練習することだ。
こう想像したら、すぐわかるんじゃないかな? アナウンサーが、原稿をメトロノームに合わせて読んでいるとイメージしてみよう。どうだろう?そう、間違いなく・・
お経
である。(^_^.) チーン
つまり、不自然だ。なぜだろう?それは、機械に作られた時間に基づいているだからじゃないだろうか。音楽は生き物だ。インテンポというのは、その“自然な呼吸”と捉える必要がある。実際は、同じテンポ、つまり同じ脈拍で進んでいる“ように”聴こえればよい。
音楽は多くの場合“幻覚”で成り立っている。どういうことか説明しよう。たとえば、囁く(ささやく)ように弾きたいとする。実際囁くように弾いたら、どうなるだろう?
全然、聴こえません。(^’^)
なので、囁くように聞こえるように、音の質や、その前後との関わり、ぺダリングなど、さまざまなものを用いて、囁いているかのように聴かせているだけだ。
緊張した音楽?いくらおまじないをかけたところで音が緊張するわけがない。緊張、といえば、漢字も示している通りぴーんと“張る”必要がある。休符でも同じ。だから、音なら、音自体を鋭めの打鍵にしたり、あるいは、逆に耳をすまして聴いているかのような緊張を作るために、周りにある音を遠ざけたりという手段だってある。休符なら、その休符に入るタイミングや、突然休符になった感じを作るペダルにするなど、様々だ。
このように、実際囁いているわけでも、緊張しているわけでもなく、あたかも・・・のように聴かせているだけなのである。
(続く)
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D,スピード違反つかまる、の巻
普段からヨーロッパ(特にフランス)では、不景気になるとスピード違反の取り締まりが増える、とDがよくぶつぶつ言っている。
私たちが毎夏講習会を行うフランスの山は、そうはいっても山の上(標高1850メートル)。のんびりとした自然の中で、警察の取り締まりなど見たことがない・・・。
ところが・・・
いたのです、今年!!これは、今年のフランス、相当な不景気?!・・・(違)
でも正直、過去12年見たことない・・。
講習会が始まる数日前、知人を山のふもとまで迎えに、1850メートルの標高を下り始めた。途中、何か所か山の中の町を通る。このあたり、町の外は時速70キロ制限で、町の中は50キロ。講習会の準備話に盛り上がっていた私たちは、途中、70キロで町に突入してしまった。そのとき、向かいからくる車がぴかっと合図をしてくれた。
運転をしない方のために:車の運転では、暗黙の了解で生まれたサインというのがいくつかあり、そのうちの一つが、先のほうで警察が取り締まりをしていることを知らせるために、反対車線から来た車がぴかっとライトを短く照らすことだ。
ぴかっとほぼ同時にブレーキを踏んだが、時すでに遅し。目の前で警察が両手を広げている。
あああ・・・(-“-) やばーい・・・
窓を開けると警察官から即座に質問攻め。
Police(以下P)はい、エンジンとめてー。
D:はい
P:フランス語、うまく話せますか?
D:はい。
P免許証見せてください
D:はい
P保険も見せて。
D:はい
P:今日はなんで止められたかわかりますか?
D:はい。50キロのところをオーバーして走り、気が付くのが遅かったです。
(Dは、きっちりと作文のように答えていた。)
P:そのとおりですね。70キロ。大目に見ても65キロでしたので、15キロオーバーです。
減点3点と90ユーロの罰金に当たりますね。
・・・この辺まで、警官、高飛車である。(当たり前か)
P:あなたたち、ヴァカンス(休暇)ですか?
D:いえ、僕が講習会を運営していて、そのためにこの街を訪れています。
P:あ、あの音楽の?町を活性化してくれているあの講習ですか?
・・・警官、講習会の存在を知っていたらしい・・・
D;はい、そうです。
P:そうですかぁ。大変ですねえ・・・ (なぜか同情され・・・)
P:ということで、本来の制限は50キロなのですが、今日の制限速度は、特別に72キロです。ですからオーバーではありません。
D+私; え? (゜_゜>)
今日は特別72キロって・・・今日はお肉割り引き!のノリではないですか?
P:これから気を付けてくださいねー。
D:はい。ではさようなら。
そして車は発車した。
え?見逃してくれた?(・.・;)
こんなこと、あるんですねぇ・・・さすがフランス。仕事で山に来ているというので同情してくれたのだろうか・・。謎
ありがたやありがたや。
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お知らせ!!!
このたび、Pascal DEVOYON、村田理夏子 ピアノデュオリサイタルを開催させていただく運びとなりました。リスト生誕200年を記念し、一生のうちに一度は耳にしていただきたいと私たちが心から思う作品を、東京公演のメインとさせていただくことにしました。
心を揺さぶる作品です。ぜひいらしてください!(画像をクリック)
クラシックに詳しい方も、そうでない方も、みなさんが楽しめるよう、今回は真嶋雄大さんをお招きし、開場から開演までの30分、わかりやすく面白くお話をしていただきます。
チケットは私の手元にございます。いらしていただけるかたは、
rikakoberlin@gmail.com
までご連絡ください。(件名にチケット希望と明記していただければ幸いです。)
一枚でも結構です!よろしくお願い申し上げます。
日時:11月17日 東京文化会館小ホール
開場:18時15分
真嶋雄大さんによるお話:18時30分から19時
開演;19時
プログラム:
デュカス:魔法使いの弟子 (ディズニー映画で用いられている親しみやすい作品です!)
リスト:前奏曲 (美しいメロディーと壮大な豊かさをもつ名曲です!)
(休憩)
リスト:ファウスト交響曲 (稀にしか演奏されない名曲。心の底から揺さぶられる感動作です!)
料金:
一般4000円
DUO券(一般券2枚同時にお買い求めの方)7000円
学生 1500円
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モスクワ2010 最終回 ~他にないの?
今回のモスクワ訪問にあたり、渡航前からDは頻繁に事務所とのやりとりをしていた。とても仕事能力のある方が相手で、すべてがスムーズ。ありがたい。
私は、前述のように後からモスクワに合流する流れだった。Dが出発前、
もし困ったことがあったらこの人に電話すると良いよ、とその優れたマネージャーの連絡先をくれた。
D:アレクサンダーっていう人だから。(・o・)
私:オッケー♪
と、私はアレクサンダーの連絡先を早速メモ。準備万端である。
私がモスクワに向かう前の日、Dから連絡があった。
D:僕のリハーサルが君の到着時間と重なってしまって、どうしても迎えに行けないんだ。
だから代わりの人が行くからね。
という。
D:アレクサンダーっていう人だから。(・o・)
私:あれ?この間話していた人?
D:あー違う違う。別のアレクサンダー。
私:苗字は?
D:知らない(/・ω・)/
私:・・・・
というわけで、アレクサンダ-Nr2が迎えに来てくれるらしい。大まかな当日の服装を聞いておいた。
そして当日。行き違いがあり、1時間待ちぼうけを食らったものの無事にホテルへ。Dと再会し、やっとほっとする。
ロシア料理を食べてみたいという私に、何かおすすめのレストランはないかホテルのレセプションに尋ねると、
ホテル:今日はあいにく閉店ですが、私どものホテルにロシア専門料理店があります。
という。
私:いいねえ♪
ホテル:レストランAlexanderです。
私:(。・_・。) うっそ・・・。
アレクサンダー ナンバー3である。
コンサート当日。ある学生さんが声をかけてくれた。
彼:クールシュヴェールの講習会でお世話になったアレクサンダーです。おぼえていらっしゃいますか?
私:( ̄□ ̄;)ギョッ
こうなったら、なんでも来い。である。
演奏会後。
事務の方:この演奏会にご尽力くださったフランス領事館の方をご紹介します。
アレクサンドルさんです。(ナンバー5)
私:おちつけ、自分。
(-∧-;) ナムナム
そして最終日・・・。
事務の方:空港にはアレクサンダーという者がお車でお送りします。
私:・・・・・・・
これだけ同じ名前が使われている国なのに、誰も苗字ではなくアレクサンダーと紹介するのは・・・
なぜ? (・・?
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さすが芸術の街? 3)モスクワ2010 ~ロシア伝説~
随分あいてしまいましたが、Dのモスクワ演奏旅行記 続きです!
さて、紙芝居+バー風ライトアップによるコンチェルト(2011年2月18日の記事参照)の翌日は、Dのソロリサイタル。全日に引き続き、満席のお客さんにいらしていただいた。
今日落ち着いてホールを見渡すと、古いせいか不思議な作りもある。写真の上方の席。(写真をクリックすると拡大されます)
写真でわかるだろうか?2階席が前から順に一列に並んでいるのだ。普通は横か斜めに並ぶと思うのだが、これは前のひとの後頭部を見る形で椅子が並んでいる。バスの座席のようだ。
変である。(・o・)
それはさておき、今日の演奏会は、あの<バー風ライトアップ>がない!!
やっぱりあれは、オールフランスプログラムのための、特別なライトアップだったに違いない。
昨日同様、細かなアナウンスはもちろんアリ。そして、<シャッ>と紙芝居カーテンが空き、D登場。
と、こ、ろ、が
演奏開始して間もなく、チャラリンチャラリン・・・そう、携帯電話である。ちょうど私の前に座る女性だった。
モスクワですら、携帯が鳴るんだなぁと思っていたら、
違う!! やはり本場は違う!!
ロシアの客は携帯が鳴るとどうするか・・・・・・・・・・?
電話に出る。 (´▽`[]ゝもしもーし (ロシア伝説1)
必死で弾いているDを尻目に、その女性はなんと・・・
<もしもし、今演奏会中なの、え?良く聞こえないわ。今ね、コンサート聴いてるのよ♪またあとでね!>←会話の内容はもちろん想像である。
などと会話し、電話を切ったのである。
私の左斜め前には、子供連れもいた。さすがはモスクワ人。彼らの準備も万端。子供が演奏会前に、膝の上にせっせと準備していたのは
<お絵かきセット>
である。しかもクレヨンのふたを開けると・・・軽く20色はあった。
揃えすぎだろ。( ̄o ̄;)ボソッ
というわけで、
ロシアの客は、準備万端である。(ロシア伝説2)
この演奏会中、前半だけで携帯が8回は鳴った…..
とはいえ、前半大成功!ショパンでは演奏が終わる直前から手拍子の拍手。ロシアのお客さんはやはり反応がダイレクトである。そして飛び交うブラボーは、なんだかえらく低いどすの利いた声が多い。ウォッカのせいだろうか。
さぁ休憩だ。と思ったら、拍手の中、なぜかホール内のお客さんの一人が花束を舞台上のDにもっていった。Dは、え?まだ前半なのに・・・と半分苦笑いで受け取る。
すると・・・・
ロシアの客は・・・・前に習う。 (ロシア伝説3)
・・・・?
なんと次から次へと他のお客さんが花束を持って舞台へ。Dはカーテンコールで舞台に戻る度に花束を受け取ることになり、嬉しいながらも多少動揺。あの・・・まだ前半なんですけど。
これがその時の模様。花、花、そして花。
===
後半はシューマン。
私は緊張のあまり、実はほぼずっと目を閉じて聴いていた。すると、クライスレリアーナ5曲目の冒頭で、ソラソレレッソファ、ドレドラ・・・と続くはずが、
ソラソレレッソファ・・(シーン)・・ドレドラ・・となぜか一瞬の間があった。あわてて目を開けたが何があったのか分からず、後でDに聞くと・・・
いやあ、ソラソレレッソファ、の直後で パシャツ! とフラッシュ付き写真を撮った人がいたんだよ。瞬間的に驚いてさぁ (´~`ヾ) ポリポリ・・・
と言っていた。
つまり、ソラソレレッソファッ ――(-_☆)カシャッ!―― ドレドラ・・・となっていたわけである。そりゃぁ、驚くわ。
というわけで、ロシアの客は・・・
思いついたが吉。その場でフラッシュ♪ (ロシア伝説4)
コンサートは大盛況。Dの事をチャイコフスキーコンクール以来、伝説のピアニストとしてずっと覚えていてくれ、再会に大喜びしてくれるお客さんもたくさん。演奏家冥利に尽きると言うのはこういう時にいうのかな・・・と思いながら、
私まで心が温まる思いをさせてもらった2公演だった。
(続く)
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一文字の重み
暇に任せて、とあるベルリンのガイドブックでおいしいレストラン情報を見ていた。
ふむふむ ( ̄¬ ̄*)じゅるぅうううう
いいねえ。(^^)
(⌒¬⌒*)んまそ・・・♪ 良いねえ良いねえ♪
え?Σ(゜◇゜;)
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チケット販売開始します!
しばらくトップに固定させていただきます。この下にブログ更新していきます。
以前少しお知らせさせていただいた2011年6月25日のソロリサイタル。(東京、表参道)チラシ、チケットが手元に揃いましたので、販売を開始させていただきます。(すでにご予約くださった方有難うございました。チケットは近日中にお送りさせていただきます。)
私からチケットをご購入下さった方には、些細ですが10%の割引をさせていただくことにしました。(2700円)
お友達、ご家族などお誘いのうえ
rikakoberlin@gmail.com
までご希望枚数とあわせてご連絡ください。件名に
コンサートチケット希望
と明記していただければ幸いです。まだ日程は先ですが、手元のチケットがなくなり次第終了とさせていただきますので、ご希望の方はお早めにご連絡ください。
お待ちしています!!
村田理夏子
チラシはこちら↓クリックすると大きくなります。
音楽
-こんな時勢に、音楽なんかやっていていいのだろうか
-こんな時に、音楽で何ができるか
という言葉を震災後よく耳にする。
でも、<音楽で何が出来るか>・・・そういう方向で考えていたら、余計分からなくなるのではないかと私は思う。それを教えてくれたのが、先日のベルリン芸大でのチャリティーコンサートだった。日本人留学生が発起人となり、種をまいてくれたチャリティーコンサートが、学校主催の大規模なものとなった。私とDも、そこで演奏をさせていただくという光栄な機会をいただいた。短い期間で若い日本人や学校関係者が文字通り“必死の”準備をしてくれ、迎えた当日。学校に足を踏み入れて、言葉を失った。
1996年から15年のベルリン生活で、あのホールで1度も見たことのない数の人、人、人・・・。更には、満席だからと門前払いを受けた聴衆が舞台裏に列をなした。開演ぎりぎりに、舞台席も急遽用意された。会場は1200人ほど入るはず。舞台上の聴衆を合わせれば1400人ぐらいになったであろう。
ここはドイツ。コンサートの趣旨は日本。
日本のために、ドイツ人がこんなに・・・・いや、違う。もうそこには国籍もなにもなく、ひとりの<人間>としてなんとかしたい、と思う魂がホールに集まったのだ。
チャリティーコンサートとは、音楽を通してお客さんに何かを伝える・・・そして賛同していただいた方に募金をいただく、そんな考えをしていた自分が恥ずかしくなった。あふれんばかりの人から、そのまなざしから、舞台に立つ私のほうが、はっと気がつかされた。心に感動を与え、エネルギーを注ぎ込み、しっかりと前を見据える力をもらったのは、私のほうだった。どんな言葉をかわさずとも、足を運んでくれ、私こそ私こそと力を貸してくれようとするそのまなざしから、心が激しく突き動かされ、揺さぶられた。
どんな言葉も、必要ない。音楽を演奏する者があり、聴く者がある。主役はいない。いや、むしろ全員が主役だった。その誰もが、音楽を耳にしながら、それぞれの思いでその時間を分かち合い、それぞれの心に思い思いの感動や衝撃、栄養をたっぷり吸収し、帰っていく。そんな場だった。
自分が音楽を共にすることの意味を見失いかけていたとしたら、このことだけ刻み込んでいて欲しい。
音楽は、生活には不可欠ではないかもしれない。でも
音楽は、人間に必要なもの・・・
だと。
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心
折り鶴を折った。
ここベルリンでも、本当にたくさんのチャリティー活動が行われはじめている。
その一つ、ベルリン・フィルからの要望で、チャリティーコンサートにいらしてくださるかたに鶴を配りたいということで、至急大量に必要なため、ベルリンにいる日本人に鶴を折ってくださいというインターネットでの呼びかけがあった。
2400羽必要で、前日までに1200しか完成していないとの記事に、私も朝から50羽急いで折って届けた。鶴を折るというのは、日本人にとって当たり前というほど皆ができることだけど、あらためて折ってみると、その工程はけっこうややこしい。
Dが手伝おうと思っても、難しすぎるようだった。
ふと、折り紙って日本の伝統なんだなぁと・・あらためて感じたりした。
4月に、ベルリン芸大でもチャリティーコンサートが行われようとしている。
日本人留学生数名が、地震直後に立ち上がり、チャリティーコンサートを!と奮闘している姿に、学校が協力を申し出てくれたようで、学校主催のコンサートが開かれるまでに発展したらしい。
日本人留学生の積極的で、熱のこもった訴えとその行動力に、なんとも言えない温かい気持ちと、こんな若者がここベルリンにいるのだという嬉しさで満たされた。
私とDも演奏させていただくことになっている。
どんな言葉でも十分に表せない、今の私の心に渦巻く気持ちを音にのせたいと願っている。
あたり前の平凡な日々、あたりまえの笑顔・・・一瞬にして、それがどれほどの宝物であったかを知らされ、今更それを再認識する自分を恥ずかしく思ったりもする。
国を超えて、国籍を超えて、本当に多くの人達が心を痛めている。それをここベルリンでも強烈に感じる。
今必要なことは、おそらく団結することだと思う。心を1つにして、今できることをこなしていく。
こんな残酷なことがどうして起きなければいけないんだろう。