「音楽」カテゴリーアーカイブ

ほどほどに!

前回、ニックネームでイメージが膨らむ反面、思い込みの危険もあるという話を書いた。

そういえば以前, 知り合いの作曲家の友達と話をした時、こんなことがあった。

久しぶりに会ったランチで、なんと自作のCDをプレゼントしてくれた。各曲に素敵なタイトルがついていたので私が

私: こういうタイトルって、どうやって考えるの?

ときくと、なんと

友達: あーこれねぇ、曲ができてから複数のスタッフに聴いてもらって、印象を題名にしてもらったの。

と。

へえええ!と驚いた。

もちろんイメージを持って書いているのだろうけど、それをあえてタイトルにしないのか。

でも確かにドビュッシーの前奏曲は、曲頭に題名が書かれておらず、各曲の最後にドビュッシーなりの題名を書いている。まるで、「僕はこんなイメージで書きました」って最後にポツッと語っているような。

作曲家としても、聴き手の自由なイメージを持ってもらう喜びもあるのかなあ。

もちろん自分勝手なイメージではいけないので、作曲家について調べたり、他の作品を見たりしながら作曲家の方向性を知りつつ、イメージを膨らませる。

教養と詩心のバランスが絶妙な魅力を生むのかな。

考えさせられるランチだった・・

モーツァルト!

恒例となったカワイ表参道でのDの講座。今回2/9は「モーツァルト」です。

これがまた…すごい。絶対必聴!

2つの作品を通して「モーツァルト全般」に役立つことに絞ってあるので、今後のモーツァルトの練習がますます面白くなりそう。

知っているつもりで曖昧だったことをなるほど!としてくれることがいっぱい。例えば、

モーツァルト時代と今では楽器が違った

それは知ってる(と思っていたが)

じゃあ、演奏するとき具体的に何に気をつければいいの?

….あ…..汗💦

それと、モーツァルトはどうしても、音がコロコロ動くだけでのっぺらぼうのつまらない演奏になりがち。そこで、

今回はソナタKV311 Ddurを用いて、

装飾音、アーティキュレーションさまざまな材料を用いてどうやってモーツァルトを面白くできるか、かなーり詳しくみていきます。

そして2楽章では、最初から詳しく見ていくので、ゆっくりの楽章って、こうやってアプローチするのか!と、

「綺麗なだけ」の演奏

から脱却出来るかも!

キラキラ星では、「変奏曲」ならではの学びの山。

決して子供向け作品ではないですよ!音楽好きの方も、専門家を目指す方も

絶対必聴の回です!

あっぱれ平凡 〜歳をとるのも良いね♪


先日Dがピアノの部屋から出てきて、すごく嬉しそうに:

「ねぇ、こういう風に、このトリルはこうやって入れるのかなあ、とか

そんな他愛のないことに頭を悩ませられるって、幸せだよね」

と話しかけてきた。

不思議なことに、私も全く同じことを感じている瞬間だったので、

すごく驚き、すごく嬉しくなった。

コロナ禍でさまざまに不自由で、身も心も不安定な中、

日常のそんな些細なことが愛おしく感じるようになったのかもしれない。

歳とったかなあ。(`・∀・´)

5月18日東京文化会館での演奏会を控えて、Dと互いに聴き合ったり

意見を交わしたりと試行錯誤を繰り返す中のちょっとした発見など、

些細なことも、これから少しブログでメモして行ってみようかな。

前へ!

この一年は「心底」考えさせられる年だった。

私生活では、想定外のことがあまりにも起きた結果、平凡な日々のありがたさと、それを大切にしたい思いが強烈に強くなったというのが簡潔な表現かもしれない。

ゆっくりと、そして今のこの一瞬を楽しみながら。

音楽面では、2020年にコロナ禍で諦めざるを得なくなったスペシャル公演のあと、完全に消え去ってしまったモチベーションの立て直しに苦しみ、自分にとって音楽は何なのかを考えぬいた。そしてようやく2022年5月18日、4年ぶりとなるDとのスペシャル公演を開催することを決意した。プログラムは一新し、私たち2人が今まさに向きあいたいもの。それがこのプログラム:

「エチュードの芸術」

ショパンエチュード作品25は私が全曲、ドビュッシーエチュードはDが全曲担当する。

私個人にとっては2018年のオールラヴェル公演が、自分の音楽に対するあり方を大きく変える公演となった。変えるというより、変わったのを強く感じた。

あれから4年。

5/18の公演「エチュードの芸術」では、将来の芸術界を担う若者、音楽を愛する人たちとこの時間を共有し、音楽という私たちに与えられた贈り物へ、そして芸術を残してくれた先人へ思いを馳せるひとときになることを願いつつ…

2022年も、笑顔多き一年となりますように!

来年の公演ご案内~私を突き動かしたもの

全ての「当たり前」が覆されてもう1年以上が過ぎる。1つのコンサートに向けて演奏家は数ヶ月かけて技術や気持ちを高めていくわけだが、その途中で、「中止となりました」「延期となりました」が続く。ドミノ倒しのように、準備しては崩れていく先の予定というのは、私のモチベーションをここまでむしばむとは思っていなかった。

また本番がなくなるかもしれない、となると、エンジンが空回りしてなかなか集中がもたない。

数ヶ月かけて気持ちの持って行き方をコントロールしながら、たった一瞬の日のために最大に高める作業は、実はものすごいエネルギーだったと気がつかされた。

2020年に予定していた公演「命」。延期や様子見を繰り返すうち、一度白紙に戻すことにした。

気持ちがもたないからだ。

もぬけのからのようになって、真っ白になったカレンダーを横目に過ごす。時間ができたのだから、何か自分らしいことを見つけて始めたいのに、どうせ何かやっても。。。という思いで、モチベーションが全く上がらない自分と戦うこと数ヶ月。相変わらずだらだら、ごろごろと家で過ごす私は、ある日Devoyonに「奏法について、動画を出したら?」と言われた。思いもよらない提案に「なんで?」と聞くと、「君らしさが出せると思う」という。

それからというもの、きちんとした内容で続けられるかどうかを見極めるために、様々なアイディアを考えメモを始めた。頭を使うことは嫌いではない。何か冬眠から目を覚ました動物のように、じっくりじっくり考えアイディアをメモしていった。

考えてみれば、立ち止まり、じっくり自分や楽器と向き合い、根本を考えるということがあまりなかったように感じる。時間に追われず、じっくり考える作業は、実は誰のためでもなく、私にとって、これからの自分の音楽や教育活動に向かうための貴重な時間となった。Dには感謝してもしきれない。

週1回で出す作業は相当を絶する仕事だ。アイディアが続く限り、あと数ヶ月ぐらい続けようと思うが、この先はまた自分の演奏会への準備やレッスン活動へと移行しようと思っている。

そんな見つめ直す時期を経て、来年演奏会をすることを決意した。2022年5月18日 東京文化会館。いつもどおり、Devoyonとさまざまな案を練り、内容濃く、いかにも私たちらしい内容にしたいと思っている。

詳細はまたご案内させていただくが、2018年のオールラヴェル公演から、「4年」を経た私たちの公演を是非楽しみにしていただけたら嬉しい。

打撃、空虚、再生

今年始めから世界を襲ったコロナ。あっという間に半年が過ぎた。
私自身は、ドミノ倒しのように次々と崩れ去る目先の予定に、最初はしがみつき、途中からは崩れ去るものを遠巻きに見ている、そんな印象だった。

芸術は、それが演奏であれ指導であれ、日々自分を磨きながら、相当大きなエネルギーを備えて向かう。それが一気に崩れると、それまで年月を経て蓄え、磨いたエネルギーが発散される場所を失うことになる。一度途切れたエネルギーを取り戻すのは意外と難しいことを感じた。

積み木を丁寧に丁寧に重ね、かなり進んだところで一気に崩れたようなものだ。

今までに経験したことのない脱力感の中、私がすべきこと、私にできること、私がしたいこと...それらを自問自答しながらの日々だった。

芸術を絶やさないという理由で、インターネットでは動画の配信が次々と大量生産されるのを目にしながら、私がそれに加わることの必要性は本当にあるのかと考えることも多い。

私は30の頃から本格的な指導を始め、日を増すごとにその仕事に喜びとやりがいを感じている。若い演奏家を育てる。それは責任のある仕事で、良い指導者に近づきたいがために、自分の教養を深めたり、演奏活動をしながら、音楽をいつも新鮮な目で研究したり、と結局は自分を育てさせてもらえる機会になっている。

ありがたいことに、私についてきてくれる生徒たちは、この期間もできる限りレッスンを受けたいと皆望んでくれ、感染症の様子を見ながら、レッスン中止と再開を繰り返しつつ、完全な停止はない状況を作ってきた。

私が大切にする「仲間と学ぶ」機会であるグループレッスンや、グループマスタークラス「devoyons‘ village」がコロナのために休止状態なことは残念だが、今は指導者として、何か異なったアプローチで学ぶ人たちとの有意義な接点を生むことが必要だと考えるようになった。

そして今、半年の思考期間を経て、新しい試みを始めてみようと思う。
「Village 村の音楽工房」

それについては次回。

私のサイトFromBerlinへは
こちらから。

公演中止のお知らせ

外は春らしい青空の日が増えてきました。みなさま、いかがお過ごしでいらっしゃいますか?


一度は8/22に延期を検討したスペシャル公演ですが、様々な状況を踏まえて再考を重ね、一旦白紙に戻すことにいたしました。まだ長期間落ち着きをみないであろう現状から、夏に公演を行うのは適した時期ではないという結論に至りました。

かなり前から、とても強い思い入れで準備してきたプログラム。演奏のの機会がない、幻のコンサートとなってしまいました。

いつかどこかで、このプログラムを開催できる日が来れば売れしい限りです。

1ー2年後に私たちらしい形で、プログラムを一新した別のスペシャル公演を開催できればと考えています。その時は一緒に安心して音楽のひと時を共有できれば幸いです。

延期から中止まで、二転三転し、ご迷惑をおかけしましたことを心よりお詫び申し上げます。

最後になりましたが、くれぐれもお体にご自愛の上お過ごしください。


Pascal Devoyon,村田理夏子

【重要なお知らせ】

5月17日に予定しておりました公演は、再考を重ね、8月22日(土)に延期の上開催させていただくことになりました。共演者のご理解もあり、同じプログラムで行わせていただけることになりました。
それに伴い、いったんチケット予約手続きを中止させていただきます。準備が整い次第、このサイト上でもご案内させていただきます。すでにご購入いただきましたみなさまには、これからお一人ずつご連絡をさせていただきますので、しばらくお待ちください。ご迷惑をおかけいたしますことを心よりお詫び申し上げます。

延期開催に伴い、正直なところ大変苦しい状況に置かれます。ですが長い目で見たとき、今回の開催にこだわることよりも、まずは一人ひとりが強い意識で予防をし、他人への感染を広げないことに専念することが最優先と感じ、苦渋の決断に至りました。

延期に際し、アーティスト、ホールほか、多方面のご理解、ご協力を賜り、心よりお礼申し上げます。これからも、お客様をはじめ、いろいろな方にご迷惑をおかけすることになると思います。あらかじめお詫び申し上げますとともに、ご協力何卒よろしくお願い申し上げます。

みなさんもくれぐれもお体にご自愛ください。

ころな コロナ CORONA

寝ても覚めてもコロナ・・。3月の仕事、遊び・・すべてキャンセル・・そんな思ってもみない急激な変化で、精神的”時差ボケ”になっているのは私だけではないでしょう・・。(-.-)

人間のもろさから、いろいろ考えさせられ、3月は時間はできたはずなのに気持ちは疲れ果て・・・そんな時に、ふと5月17日の公演のチケット予約が来たときは、飛び上がるほど嬉しく元気になれています。

いつまで続くのか、次の本番はあるのか・・そんな文字通り先が見えない中ですが、次のチケットの予約を目にすると、楽しみにしてくださっている方がいるのだと、強く励まされた気がして、よし、行くぞ!いかなきゃ!というエネルギーがわいてくる。そんな気がします。

意図せずも、<命>のテーマの公演は、【今 】 やはりやっておきたい・・と強く感じる時代となりました。雑誌ショパン3月号、MusicaNova4月号、音楽の友5月号に、それぞれこの公演について記事が出る予定です。少しでも多くの方に、目にしていただき、もしも足を運んでいただけるようでしたら嬉しいです。よろしくお願いします!

http://rikakomurata.com/ConcertTicket/index.html

http://rikakomurata.com/ConcertTicket/index.html