Dは日本酒、寿司、そして佃煮をこよなく愛し、パジャマ代わりに浴衣を着て、探し物は正座をして行い、そして日本茶をすすっては、ふぅぅ・・・と息を吐く、ヨーロッパ顔の仮面をかぶった日本人である。
しかし、彼にもおフランスの血が流れているということを感じるときがたまにある。そのひとつが、
自分の都合に合わせて時間を動かす
と言うところである。
彼はフランス系の中ではかなり時間に正確な人間だ(と思う)。でも!!!!何かやりたいことに熱中しているときだけは、<D時間>というのが流れているらしい。D時間の世界では、私たちの1分は彼の10分に等しくなるのだ。
私はご飯を作った時どうしても温かいうちに食べてもらいたいので、御飯ができたらすぐにテーブルについてほしいと思うタイプである。でも相手の都合もあるだろうから、
あと15分ぐらいでできるよぉ・・・
あと5分ねー
もうすぐだよぉ・・・
などタイマーのように小刻みDに声をかけるようにしている。
ところが、残り3分ぐらいでテーブルにつかなければならないとなった瞬間から、Dの中だけで
D時間
が機能し始めるのだ。
仲良し夫婦のように
私:もうすぐごはんだよぉ♪
と超やさしいトーンで声をかけるとDが
オッケー♪
と部屋から返事をする。更に5分前
私:あと5分だからねー。
D:りょーかーい!
・・・・そして
私:できたよぉ♪
D:おっけーあと1分で終わらせるよぉ
・・・
一分経過
こ・な・い・・(イラッ)
私:さめちゃうから早く―
D:うんうん、もういく!
シーン
更に2分
私:まだぁ?(-_-メ)
D:ほら、もう本当にもうすぐ♪すぐのすぐ♪
私:こらぁー!
D:はいはい、ほら、もうすぐそこにいるって感じ
(そこにいるって感じってさぁ・・・(-“-)
そ、し、て・・・
私:おりゃぁ(▼皿▼!) (→ちなみに大音量で叫びます)
D:はいはーい、今もうそっちに見えるってとこまで来てるから♪♪
そして
(;^_^A アセアセ・・・汗
と小走りで登場するのである。
そう、Dの“もうすぐ”という言葉には
ものすごくたくさんのバリエーションがあるのだ。
もうそっちに見える所って・・あのさぁ(-“-)
Dの
もうすぐ、本当にもうすぐ、もうスギッシモ、もう本当にそこまで来てる・・・という
<もうすぐ活用形>が進むにつれ、
私は
できたよぉ♪ (^.^)
というせっかくの優しい奥様(?)から
オリャァー(▼皿▼!)
と怒鳴るまでに変化させられ、毎日の夕食が行われております。
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いいのか日本?
いいのか日本?
先日、父がとある郵便局に電話をかけた時の、本当にあった会話である。
私は父のそばに座っていたものの、電話の向こうにいる郵便局員の返事は聞こえないので、聴こえてくる父の発言を追って話の流れを聞いていた。
==
父:もしもし、××郵便局ですか? 日本から国際送金をしたいと思っているのですが、
そのレートをおうかがいさせていただきたいと思ってお電話しました。
・・・・・・・・・・・・・・(郵便局員返事中)
父:いえ、あのですね、ヨーロッパにお金を送ろうと思うので、ユーロのレートをおうかがいしたいのですが。
・・・・・・・・・・・・・・(郵便局員返事中)
父:(苦笑)そうではなくてね、送金ってあるでしょう。お金を送るの。それで
ユーロのレートを知りたいんですよ。レートね。
・・・・・・・・・・・・・・(郵便局員返事中)
父:いやいや、冷凍食品じゃないの。冷凍食品じゃなくてね、レート、レートですよ。
1ユーロが何円とか。
父:あ、そうですか。番号が違うの。じゃあそちらにかけてみますね。
==
と、こんな感じ。
郵便局に、
ユーロ送金のレート
といって問い合わせているのに、
その郵便局員は
<ユーロという食べ物>
の
<冷凍食品>
を
<送りたい。>
と解釈したのである。ありえない・・・
はっきりいってあり得ない。(-“-)
父と二人で
はぁ?(゜゜)
となりながらも、父が教えてもらった電話番号にかけると
<この番号は、現在使われておりません・・・、番号をお確かめの上・・・>
だってさ。これが日本の今である。
いいのか・・・
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第2弾CD発売開始です!!
待望の(?!)第2弾CDとなる私たちのDUO録音が、2010年4月21日レグルス社より発売になりました。CDのタイトルは
<編曲の名手たち>
作曲家自身がオーケストラから2台ピアノあるいは連弾に編曲したもの、あるいはその反対に2台ピアノからオーケストラに編曲したもののみを集めた非常に興味深い作品ばかりです! それぞれの作曲家がピアノという楽器を知り尽くしていたという事実、そして音というものを用いて、魔法のような音色を生み出し独自の世界を表現するという信じられないような能力を存分に感じられる事でしょう。
収録曲は
デュカス 魔法使いの弟子
ドビュッシー 牧神の午後への前奏曲
ドビュッシー 海
ラヴェル スペイン狂詩曲
ラヴェル ラ・ヴァルス
シャブリエ エスパーニャ
です。
曲目解説は、私たち二人で作り上げました。日本語、英語、ドイツ語、フランス語の4か国語になっています。
色、響きが命であるこのフランス音楽を、私たち二人で念入りに模索し、ピアノという楽器から出せる色という色を最大限に探し求め、存分に引き出し作り上げた自信作です。
お一人でも多くの方に聴いていただけたら嬉しいです。
お問い合わせは、レグルス社まで 電話:045-983-9596
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またしても
先日5月1日に恒例のオケとの演奏会があり、ここしばらく半端なくテンパっていた私でした。私の本番は前半の最後。演奏会も無事終わり、休憩時間に生徒さんや友達などたくさん楽屋にいらしてくれて、花束なんぞたくさんいただき幸せに浸っていた私。後半はムソルグスキー展覧会の絵と、ラヴェルボレロというオケのプログラムなのだけれど、後半を聴かずに失礼しようとDと荷物をまとめた。
いつもはそのまま楽屋口から出るのだけど、Dが
あ、この扉ホールのロビーへつながっていてバス停に近いよ♪
と温かいご提案。ドレスやいただいた花束の山で前が見えないほど荷物を持ち、フィルハーモニーホールのロビーへと出た瞬間・・・
ボフッ!!
バサバサ
あ・・
シーーーン
・・・・・・・・・・
ええと、わたくし・・
エェー、コホンッ!(;-o-)o”
またもやコケました。(・_・;)
それも、花束を持って前へ遠慮もためらいもなくヘッドスライディング
コケッ! ミ(ノ;_ _)ノ =3
っとこんな感じです。はい。
ちなみに解説すると、
ボフッッ!と階段を踏み外し
(なぜか扉を開けてすぐに一段だけ降りる段差があったのですが、まったく視界に入っておらず。)
バサバサっと花束ごと崩れ落ち
あ・・・ とDが呟き
シーンと地面にピクピク倒れておりました。
そしてそのバックで、
ソーファーシ―ドファレー♪♪
と流れる展覧会の絵。
なんと哀れな私・・・。
そしてDが一言:
それにしても、ものすごい勢いで視界から消えたね・・・
助ける暇もなかった・・
とのコメントでございました。
はあ、こけるときはどうしてこうダイナミックなんだろう、私・・。
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さすがドイツ?!
音大の中で催されるクラスの発表会や卒業試験演奏会・・・私のいるベルリンでは、そういう学生の演奏会を楽しみにしているドイツ人おじちゃんおばちゃんが意外と多い。演奏する人の家族でも知り合いでもない。ただ単に、若い方の演奏する姿、そして成長していく姿を心から楽しみにしているのだ。私たちのクラスは半年に3回ぐらいのペースでクラスの生徒が学内演奏会をするのだが、それを毎回楽しみに足を運んでくれる人の多さに、生活に音楽が浸透していると感じることがたびたびある。
先日、ある生徒の卒業演奏会があった。演奏会直前にホール入り口で
やぁ、こんにちは!と声をかけられ、振り向くとそこにいたのは、なんと私の歯医者さん。
そして同じ診療所のもう一人の歯医者さんと彼らのアシスタント、総勢6-7名の軍団が勢ぞろい。あの診療所メンバーが、ほぼまるごと全員来ていた。(残念ながらこのブログ登場のA子はいなかった・・)そう、この歯医者さんは私のかかりつけで、とても上手だ。
その歯医者さんには私が紹介した友達がたくさん通っている。なんかあなたが来てから僕の患者は音楽家ばかりだ・・と言われたぐらいだ。その卒業演奏をした彼も紹介した一人で、歯医者さんが聴きに来てくれたというわけ。自分の患者の演奏会に行くなんて・・・。私とDの演奏会にもアシスタントAが来てくれたし。本当にすごい国だ。
今日の診療は早めにあがったんですか?ときくと、
うん、最後の患者さんをキャンセルしてコンサートに来た♪
だって。いいのか? (・_・;)
そんなわけで、歯医者7名と言う不思議な団体がホールに紛れ込んだ。私は人の少ない後ろの方がゆったりしていて好きなので、そこに座ったのに、私が座っているあたりが良い席だと勘違いしたらしく、私の前の列を7名で陣取ってしまった。彼らはズウタイがでかいので全然前が見えやしない。結局私が少し横に移動する羽目になった。もう。(-_-メ)
その歯医者軍団は、クラシックとはほど遠い。どれほど遠いかと言うと、以前私がメシアンを弾く時なんて、
僕はクラシックよくわからないけど、それはポップスとかジャズとかとは感じが違うの?
と聞いてきたほどだ。メシアンとポップス・・。(-“-)
それほど遠いとなると、演奏会を聴く=映画を見る という感覚である。演奏中は落ち着きがなく動き、しかもしゃべる・・・。そしてアシスタントの女の子たちなんか途中で、かばんからあめを出し始めてしまった。やばいサインである。
そして間もなく、ちゃりちゃりちゃりちゃり・・と飴の紙の音が・・・。これが相当長く続き、周りの人が振り返るほどになってしまった。ちなみに私はこのちゃりちゃり言わせる人間を普段から、ちゃりばあ。と名付けている。
このちゃりばあは、演奏中のとーっても静かなところで豪快にくしゃみをするという絶妙なタイミングの才能を持った人でもあった。あっぱれ。
前半が終わり休憩に入るとき、その歯医者さんが私に、これで終わりだね♪というので、
まだ半分ですよ!と言うと、驚いた彼はもう一人の歯医者に、半分だって!と伝え、更に驚いた彼がそのアシスタントに、その彼女から隣の友人に・・・
ねえ、半分だって!
↓
え、半分らしいよ。
↓
まだ半分だってー。
↓
ねぇねぇ・・
・・・と伝言ゲームされていた。
何なんだこの軍団。((+_+))
とはいっても、演奏会に知り合いが来てくれるというのは演奏する者にとっては非常に嬉しいことだ。演奏した彼もとても喜んでいた。(←フォローになったかな?( ̄― ̄)ニヤリ)
かかりつけの医者が演奏会に来てくれるなんて、それにしてもドイツ・・・さすがである。
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えぇ・・・と
ただ今の気温
マイナス17度
でございます。
もうあれだな、こうなると“麻痺”。
毎日外は冷凍庫なわけですよ。ハイ。(←キレ気味)。
マイナス17度なんて想像つかない・・・という方、冷凍庫を開けた時のあの空気でございます。外で足を止めて立ち話なんかしたら、そのまま町の<氷像>と化すことであろう。
Dなんて、スイスに行く用事があって天気予報をみて、
お、あったかいんだな。
と一言。”あったかい”というスイスの予報はマイナス1度から0度だそうな。
麻痺している我々には、プラスの気温なんて南国のようである。
と、3日前ののマイナス11度から、ぐんぐん下がり続け、今朝も目覚めてマイナス17度という数字に起こされた私は、キレ気味。なんとかしてくれ・・・
朝のつぶやきでした。