特別公演でファウスト交響曲を演奏することになり、Dが「聴く楽しみが増えるように、事前にプレイベントをしたい」と準備を始めて数ヶ月。
先程、おおむねの翻訳を終えたところだ。
「これは….」
と唸ってしまった。
へえ、なるほど、そういうことか…講座を聴き進めるうちに、いつのまにか
リストの作品の世界へ完全に取り込まれている。
リストが、巧みに音をあやつり、私たちを世界に引き摺り込んでいく様子を、
Dが見事に紐解いていく。
音から映像が目に浮かび、音で映画を見ていると言えば良いのだろうか。
ファウスト神話ってなんじゃ?
と、ちんぷんかんぷんな人でも大丈夫。丁寧にわかりやすく、話が紐解かれていく。不思議なことに、玄人も、ほぉ!発見を楽しめる。
そしてなによりも、講座の最後…。
最後の一文で、私は凍りついた。リストのこだわり、リストの技。
すごい作曲家。そしてすごい信念。鳥肌が、ゾワゾワっと立った。
なんとしてもご来場を検討していただきたい・・・そんなイベント。
演奏家を目指す学生さんは、この講座の後、楽譜へのアプローチの姿勢が180度変わるのではないだろうか。