色(2)

前回の色についての続き。
では、音楽でいう色とは何か・・・
それは音が持つ【表情】だ。
生徒の話に戻ると、暗いとか明るい、暖かい音、冷たい音…そんな、レッスンでよく耳にする言葉の意味をじっくりと考察することに欠けていると感じた。暖かくと言われたら、『暖かく』と楽譜に書いてなんとなくそんな音を出して通り過ぎる、そういうケースを本当に多々耳にする。きっとまだ ”探す”ことの面白さが見いだせていないのだろう。
私:あのね、例えばこの音
–といって私が 「ド 」と1音鳴らす–
私:この「ド」は何色だと思う? 
実はね、何の色でもない(!)んだよ。
言い方を変えれば、一音だけこうやって弾いても
明るくも暗くも、幸せにも痛みにもなり得るっていうこと。
生徒:ポカーン~(・・?)  (地蔵、凍る・・・の巻。)
私:例えばね、少し前にすっごくハツラツとした音楽があって、その後にポツンと今の『ド』が来たら、悲しげに聞こえるかもしれない。 あるいは、すっごい緊張した音楽が前にあったら、ホッとして聴こえるかもしれない。つまり、前や後ろとの関連でも音の色は変わる。だから、その音だけ練り回して練習すれば良いとは限らないのはわかるよね? 
ここで冷凍地蔵だった生徒は、解凍地蔵ぐらいには戻ってきた感じである。
今の話は
色=表情 その①
『前後の音楽と比較して表情を生むケース』
である。 
(続く)
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