イン、テンポとメトロノーム ~第1回~

次回はイン、テンポについてお話しします、なんて書いたのは去年の9月。\(゜ロ\)
それから決して放置していたわけではなく(汗)、自分でテーマを提示しておきながら、難しい議題を出してしまい苦戦しておりました・・。今も苦戦中ですが、今できるなりに説明してみようと思います。
イン、テンポ。これはどういう風に捉えたら良いのだろう。一番危険な間違いは、テンポ通り進まなきゃ、とメトロノームにあわせて練習することだ。
こう想像したら、すぐわかるんじゃないかな? アナウンサーが、原稿をメトロノームに合わせて読んでいるとイメージしてみよう。どうだろう?そう、間違いなく・・
お経 
である。(^_^.) チーン
つまり、不自然だ。なぜだろう?それは、機械に作られた時間に基づいているだからじゃないだろうか。音楽は生き物だ。インテンポというのは、その“自然な呼吸”と捉える必要がある。実際は、同じテンポ、つまり同じ脈拍で進んでいる“ように”聴こえればよい。
音楽は多くの場合“幻覚”で成り立っている。どういうことか説明しよう。たとえば、囁く(ささやく)ように弾きたいとする。実際囁くように弾いたら、どうなるだろう?
全然、聴こえません。(^’^)
なので、囁くように聞こえるように、音の質や、その前後との関わり、ぺダリングなど、さまざまなものを用いて、囁いているかのように聴かせているだけだ。
緊張した音楽?いくらおまじないをかけたところで音が緊張するわけがない。緊張、といえば、漢字も示している通りぴーんと“張る”必要がある。休符でも同じ。だから、音なら、音自体を鋭めの打鍵にしたり、あるいは、逆に耳をすまして聴いているかのような緊張を作るために、周りにある音を遠ざけたりという手段だってある。休符なら、その休符に入るタイミングや、突然休符になった感じを作るペダルにするなど、様々だ。
このように、実際囁いているわけでも、緊張しているわけでもなく、あたかも・・・のように聴かせているだけなのである。
(続く)
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