
ラヴェルソロ作品全曲CDの批評が出ました!


今、私たちがかなりの力を注いで準備している公演があります。
10月4日 表参道カワイパウゼでの タイムマシンコンサート。
ーー
音楽は生きた産物で、生身の人間から生み出された奇跡の贈り物だと思います。彼らが生きた時代、何が起きて、どんなことを見、どんなものを聴き、何を感じてきたのか。こういった日常が多かれ少なかれ作品に影響しないはずはありません。
今回のタイムマシンコンサートでは、生誕150年を迎えるラヴェルをテーマにします。「が!」ラヴェルばかり演奏する公演ではない面白さが皆さんをお待ちしています。
ラヴェルが生きた時代、ヨーロッパでどんなことが起き、ラヴェルはどんな世界を見てきたのか。タイムマシンに乗って時代を遡り、その当時のお話や映像、そして演奏を通して感じていただくものです。
きっとどこにもない、新たな楽しみ方ができる公演だと思います。
演奏は現時点では10曲ほどを予定しています。かなりバラエティに富むプログラミングです。誰が何を弾くかは、もう少し中身を詰めて改めてブログしますが、今からどうぞ楽しみになさってください。限られた席数ですのでお早めのご予約を!

ーー
分厚ーーーーーい書籍を片手に、パスカルは次回の講座準備に入っています。
「今はドビュッシーが1番好きな作曲家の1人かも」
と彼は数年前に言っていたけど、今はどうなんだろう。
ドビュッシーの手紙とか、ドビュッシーの分身の書籍とかを読むと、すごく人間味を感じられて、確かに親しみを感じる。私はそう言った意味でも、作曲家自身の言葉が残された書籍を読むのは好きだ。
それに、ドビュッシーがいろいろ、当時の社会の流行や、音楽界のことでぶー垂れてるのを読むと、いつの時代も同じなんだなあと少しホッとする。
ホッとしていいのか。🙃
今回はパスカルが講座で話したいことが早いうちに定まっているようで、少しずつ筆を進めている。どんな内容か楽しみ。今回は版画と花火。名作中の名作ですね。
翻訳が進んで中見が見えてきたら、改めてブログで紹介できればと思います。9/25 よろしくお願いします!

親愛なる同僚の皆様
もしかしたら、すでにこの件について耳にされた方もいらっしゃるかもしれませんが、本日正式に決定されたことがあります。私は今後、桐朋学園で教えることができなくなりました。
ピアノ部会7〜8名ほぼ全員が、私をもう仲間として受け入れず、面と向かって私の言葉で話す場すら設けていただけませんでした。率直に言って、このような態度には非常にショックを受けています。
納得できる理由も一切示されず、直接お話しする機会も一度もありませんでした。
また、一部の先生方とは、これまで学校内で一度もお会いしたことがなく、私の授業を見に来られたこともありません。言ってしまえば、私という人間を知らないまま、判断されたということです。
みなさんが今後、私について何か好ましくない言葉を耳にするかもしれませんが、どうか、それを鵜呑みにせず、これまでのご縁と友情を信じていただけたら嬉しいです。
桐朋学園との約30年にわたる関係がこのような形で終わってしまうのは、とても残念でなりません。
この場をお借りして、これまで一緒にお仕事ができたことに感謝申し上げます。
どうぞお元気で。
心より感謝を込めて
Pascal Devoyon
#
以下、村田より
桐朋の学生さんへ。
パスカルは突然、みんなともう一緒に勉強することができなくなりました。今日まで想像もしていませんでした。このような扱いをされる正当な理由は1つもありません。
彼はみんなに音楽を真摯に深く追求する面白さ、難しさ、音楽家としての責任、いろんなことを伝えようと言葉を駆使してきました。もし何か心に残っていたら嬉しいです。「きっと生徒たちは喜んでくれていたと思う。急なことで生徒がかわいそうだ」と彼は言っています。
またどこかで再会できると良いですね。
音楽だけはいつも変わらずにいてくれます。私たちへの音楽という贈り物に感謝を忘れず、いつまでも真摯に深め続けてくださいね。今までありがとう。
—-
最後に
(8/9) * その後、学内の先生方から温かな声が届いています。今回のことは大半の先生方や生徒たちは何も知らなかったそうです。
自分の声と言葉で事実をお話する機会を求めても拒否され、ほんの一部のおかしな考えを持つ人の力や誤った情報だけでこのような決断に至る現実に、一層驚きと悲しみが増すばかりです。
温かな声を届けてくださる方々に心よりお礼申し上げます。
ボールを取ろうとしたら、ソファの下に押し込んでしまい
がっかり落ち込む、の図。

ブラームスへのアプローチの仕方、といった意味合いのある講座でもあり、話したいことは山のようにあるけど、どこに焦点を置くか、結構悩んでいたこの回。
終わってみると、多方面から非常に面白かった、とても勉強になったという声がたくさん届いた。パスカルもホッと嬉しそうにしている。
次回はドビュッシー 。版画と花火。これも、彼らしい面白いアプローチが楽しみ。



譜面もたくさん書き込んで何十枚も準備しての講座です!
ブラームスの醍醐味は、その磨き抜かれた曲作りに潜んでいる。本能に任せて、ロマンチックに…なんていう演奏では、本来の曲の魅力、格調、表情は生み出せない。
それこそ、「分析」という堅苦しい言葉が、実は音楽の魅力の秘訣だとわかったとき、曲を本当の意味で知る作業が尊いもの、そして面白く感じられる。
ブラームスをとりあげる第1回の今回は、そういったブラームス世界を覗き親しむヒントが散りばめられた講座になりそうだ。
パスカルが「前置き」と読んで話す冒頭のブラームスの若かりしころについての話は、実はここに全てが集約されているというぐらい、大切で興味深い話となりそう。そういうことか!という発見が山のようにある。
その後、ラプソディと作品118を通して、曲がどのように成り立っているか、どこに何が隠されているか、宝を引き出すように丁寧に丁寧に紐解いていくこの講座は、いわゆるここをこうやって練習して、といったものとは一味違い、今後ブラームス作品への見方がいっそう深くなり、面白くなり、練習するのも、指導するのも、聴くのも、全てが面白くなりそうだ。

クラシック界の裾野を広げるには、プロを目指す音大生だけではなく、音楽を愛し、好きでサークルに入るなど、喜び第一でピアノをやっている一般大学生達こそ大切なのではないか。そんな見事な視点を持つ岩倉孔介氏を中心とし、全国大学生ピアノ選手権が生まれた。
第1回から審査員として参加させていただき、これまで2回を審査しながら感じることがあった。それは「演奏への喜び」と「音楽への敬意」の良きバランスを見つけることの重要性だ。
我々演奏家は、聴衆あってこそ存在でき、作曲家があってこそ演奏できる。聴衆に音楽の良さを届けるには、音楽が好きで仕方がないという姿勢は非常に好感的で魅力的だけれど、それだけでは好き勝手な演奏になってしまい、作品の魅力を伝えきれないリスクも伴う。他人の作曲した作品を演奏し、公に披露する以上、それがプロであれ愛好家であれ、作品への責任も伴うと私は考えている。聴衆と作品の魅力を共有するとなると尚更だ。
そのために、こう言った一般大学生たちの楽しみを失わずに、適格な方向へ導くことが必要かもしれないと考えていた最中、岩倉氏から一般大学生を対象としたマスタークラスを立ち上げたいと伺った。
もともとピアノが好きで弾いている彼らだからこそ、最低限の作品、作曲家への知識はもちろん、自分の触れる楽器についても知り、その操り方もなどさまざまな方向から学ぶことで、よりピアノや音楽が面白くなるのではないか。
いつも的確な視点と幅広いアイディアを持つ岩倉氏には感服しつつ、互いにアイディアを交わしながら第一回のマスタークラス開催の運びとなった。
一般大学生を知るみなさん、どうかこの生まれたてのマスタークラスを広く周知してもらうお力をお借りできないでしょうか。必要があればチラシも送付できます。どうぞよろしくお願い申し上げます。詳細は下記リンクをクリック。
チラシのご用命は、送付先と合わせて下記までご連絡をお願いいたします。
村田理夏子
kurumiberlin@gmail.com
チラシです。詳細は下記より!

いつのまにか20回!を迎えるこの講座シリーズ。私も訳しながら、どれだけ多くのことを学んでいるか。。。
午前ということもあり学生さんが少ないのが残念ですが、学生の皆さん、本当に今聞かないともったいないですよ!都合がつくなら絶対毎回聞くと良いと心から思います。
というわけで、新しいチラシができました。今後の予定です。

ベルリンに留学して4年目のこと。半年に一回はあったクラスの弾き合いの最中の強烈な思い出がある。それまで文字通り毎日毎日毎日毎日探し求めていた「指で鍵盤を操る」という意味が「あ、これかも!」と感じられた瞬間だった。
指が動く、弾ける、回るではなく、指から音を紡ぎ出すという芸術としてのテクニック。
ずっと探し求めていた扉が開いたかもしれない!と思った瞬間、がーーーん💦その扉の向こうに待ち受けていたのは、もっともっと多くの扉だった。
自分の要求レベル、耳のレベル、教養のレベルが1つ上がると、これまで見えていなかった扉が突然たくさん見えるようになったのだ。
5月28日のスペシャル公演は、私にとって多くのことを感じさせてくれた。50歳を過ぎ、明らかに自分の音楽、人生への捉え方が変わってのコンサートでもあった。そして日本に移り住んで7年。本当に多くの体験と葛藤があった。とても嬉しい出会いもあれば、尊敬していた人からの思わぬ発言に大きく失望したり…
明らかに昔とは違う音楽の世界の中で、私は自分の人生をどう進めたいのか、自分への確認を含めての公演だったとも言える。
扉を開けると、次に多くの扉が待っているという果てしない学びの人生の中で、私は学生時代から本番に満足したことは一度もない。うまく弾けた、と言ったことも一度もない。でもそれは、次に自分が向かうべき道がまだ途切れていない証だと勝手にポジティブに捉え☺️、毎回新たな勉強を始めてきた。
今回の公演に向かう練習の過程での宝物は、たった2分の小さな曲から、ダンテのような大曲まで、1つずつの曲をまさに「芸術作品」として見る、という当たり前のような言葉の本当の意味が見えた気がしたことだ。そういうことなのかもしれない…というこの感覚は私にとって大きな転機となったことは間違いない。これもまた、そのおかげで開いた扉があり、その向こうには…😅という果てしない瞬間でもある。
全てがわかった!と感じたときは音楽をやめるべきだと昔から生徒に言ってきたように課題が見えることはありがたいことだと思う。
今年から来年にかけて、ありがたいことに色々とコンサートやマスタークラスなどの機会がありそうで、それを通してパスカルと共に、納得いく音楽人生をまた1日ずつ重ねていきたい。
会場はこれまでで一番多くのお客様に恵まれ、その温かさ、そして驚くほどの集中度に、これまた勝手に🐣、ではあるが、多くの方と芸術を共有できた瞬間だったと感じている。東京は忙しい街で、人に溢れている。そんな中、会場に足を運んでくださることは私たちの人生に本当に大きなエネルギーとまたがんばろう!と思える喜びを贈ってくださっている。心から御礼を申し上げたい。