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NAGAREYAMA国際室内楽音楽祭 聴きどころ Vol.4!

楽しい曲も聴きたいし、感動する音楽も味わいたい、そんな両方を叶えてくれるのは、2日目の公演「エスプリ ドゥ パリ」です。
素敵なタイトルですね!
あ、そういえば、パスカルの名前が複雑なのか、以前日本で パスカル・ド・ヴァイヨンと掲載されたことがあり、どこかのカフェか?と思ったことがある。😂
脱線。話を戻して、この日はドビュッシーの珍しくロマン派的な作品、続くミヨーの血が騒ぐ2曲、そして言葉を失うほど美しいフォーレのピアノ四重奏。すっばらしい午後になること間違いなしです。あれもこれも味わいたいみなさん、是非♪

🌲🌲🌲 流山・森のまちの音楽祭へようこそ

🌲 11月3日 14時開演 エスプリ・ドゥ・パリ 🌲

◎ミヨー:組曲(クラリネット、ヴァイオリン、ピアノのための)、「スカラムーシュ」
ミヨーの作品はなんといっても個性的です。多くの旅をした人で、作品には旅先で出会った主にアメリカのジャズやラテンアメリカ音楽のリズムなどが見られ、聴いている側がついつい踊り出したくなる作品もたくさん! 生涯600を超える作品を残しましたが、その多くが室内楽で、多様な個性を発見できます。その中からこの日は、聴いて楽しい2曲をセレクトしました。
組曲は、ジャン・アヌイの戯曲「荷物を持たない旅人」のいくつかの場面の音楽を集めたものです。ヴァイオリンとクラリネットをからめることで、ミヨーはバンドネオンの音を再現しようと楽しんでいるそうですよ! ピアノはブラジルのサンバとアルゼンチンのタンゴの間をさまよいます。バンドネオンの音、サンバやタンゴ、心がくすぐられる作品です。
そして有名な「スカラムーシュ」! 最終楽章ではブラジルのサンバが炸裂。皆さん立ち上がって踊りたくなること間違いなし。ホールを出ると、リオデジャネイロにいると錯覚するかもしれません😉
ロマンチックな楽曲からカラフルなサンバまで、前半だけでも盛りだくさん。心が弾むこと間違いなしです。ここでしか聴けない素晴らしいプログラムを決してお聞き逃しなく!!
この日のプログラム後半のことはまた次回に…

🌲🌲🌲🌲🌲🌲 Vol.5に続きます 🌲🌲🌲🌲🌲🌲

NAGAREYAMA国際室内楽音楽祭 聴きどころ Vol.3!

🌲🌲🌲 流山・森のまちの音楽祭へようこそ

🌲 11月3日 14時開演 エスプリ・ドゥ・パリ 🌲

この日のプログラムは「皆にシャンパンを🍾!」とばかりに、フランス🇫🇷が日の目を浴びます。
ところでみなさん、フランス作品って、ふわっとしたパステルカラーを想像しますか?
とんでもない! この日は、そんなフランス音楽のイメージを覆す、カラフルでバラエティに富んだフランス作品を楽しんでいただきます。

◎ドビュッシー:ピアノ三重奏曲
前半は、なかなか演奏される機会の少ない名作が2曲お目見えします。まず今日ご紹介するのはドビュッシーのピアノ三重奏曲。今回はフルート、チェロ、ピアノでお送りします。この作品は彼がまだ18歳の時に作曲されました。ロマン派の香りが残るこの作品では、ドビュッシーの自由への愛がわかります。ドビュッシーを教えていた先生方は「自由を愛する学生ドビュッシー」に規律を教え込むのに非常に手を焼いたそうですが、この曲はそんな「規律」からは断固として解放されています。自由奔放、そしてロマンチック。でもその目的は明確で、1904年にこんなふうに彼は説明しています:
「フランス音楽の主な目的は、聴く人に喜びを与えることです」
喜びを得られるか、みなさん会場にいらしてご自分で判断してみてくださいね!


ミヨーについては次回…

🌲🌲🌲🌲🌲🌲 Vol.4に続きます 🌲🌲🌲🌲🌲🌲

NAGAREYAMA国際室内楽音楽祭 聴きどころVol.2!

🌲🌲🌲 流山・森のまちの音楽祭へようこそ

🌲 11月2日 14時開演 オープニング・コンサート 🌲

プログラム後半では

「ウクライナ民謡に、会場の空気と私たちの心が震えます!」

◎ドヴォジャーク:ピアノ三重奏曲 第4番「ドゥムキー」
今日はプログラム後半のご紹介です。ドヴォジャークのピアノ三重奏曲「ドゥムキー」。スラブ民謡にどっぷりと浸ります。”ドゥムキー”という言葉はドゥムカの複数形で、ほぼ間違いなくウクライナで生まれたジャンルです。ところでみなさん、ご存知でしたか? “ドゥムカ”とは「束の間の思い」という意味だそうです。この三重奏は、それぞれ独自の性格をもつ6つのドゥムカで構成されています。スラブ魂どっぷりのこの旅では、強烈に胸を引き裂かれる歌の数々、最高に陽気な踊りたち、ドラマ、そして喜びの数々が繰り広げられます。私たちをハラハラさせ、心が様々な感情で満たされます。感動なしにはいられません。是非、生のホールで感じていただきたい作品です。

🌲🌲🌲🌲🌲🌲 Vol.3に続きます 🌲🌲🌲🌲🌲🌲

NAGAREYAMA国際室内楽音楽祭 聴きどころVol1!

🌲🌲🌲 流山・森のまちの音楽祭へようこそ

もし聴衆の皆さんにコンサートにいらした理由をお尋ねしたら、その答えはきっと様々でしょう。音楽を聴きたいのはもちろん、楽器に興味があったり、アーティストを楽しみにしていたり、はたまた家族でリラックスしに来る方もあれば、お友達に会いに来る方もいたり… そんな「色々」という思いから、この音楽祭では皆さんが私たちの祭典に行ってみたくなるようなバラエティーに富んだプログラムを作ってみました。皆さんにそれを実感していただけるよう、今日から数回に渡り、各日のおすすめポイント!についてお届けします。皆さんの好奇心がふと目覚めてくれることを願って……
(NAGAREYAMA国際室内楽音楽祭 音楽監督 パスカル・ドゥヴァイヨン/村田理夏子)

🌲 11月2日 14時開演 オープニング・コンサート 🌲

今日はプログラム前半のご紹介です!

◎モーツァルト:フルート四重奏曲 第1番
 モーツァルトに関しては、ヨーロッパじゅうの王子達を感動させた神童で、天性の才能の象徴であるというご紹介など、もう必要ありませんね。彼の音楽は天から降ってくるかのようです。ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロを伴い、高木綾子さんの魅力的なフルートがアマデウスの作品に命を吹き込みます。2楽章はこの上ない詩で、これを聴くと、ロマン主義が生まれたことがわかります。

◎シューマン:「おとぎ話」
 続くシューマンで私たちは、おとぎばなしの魔法にかかります。何か決まったおとぎばなしを探してはいけませんよ。決まったお話があるわけではなく、ご自身の想像のおもむくままにまかせて良いのです。シューマンは物語の語り手で、この作品はまさに魔法の詩の世界に浸らせてくれます。全てを忘れ、音楽に身を任せるだけ。クラリネット、ヴィオラ、ピアノという珍しい編成で作曲され、コンサートホールでこの作品を聴ける稀なチャンスです!
天空のモーツァルト、おとぎの魔法の世界へ迷い込むシューマン。初日前半から別世界へと足を踏み入れること間違いなしです!お楽しみに!

🌲🌲🌲🌲🌲🌲 Vol.2に続きます 🌲🌲🌲🌲🌲🌲

NAGAREYAMA国際室内楽音楽祭 本日発売開始です!

いよいよ、発売の時になりました!そしてなんと、皆さんのご協力を得て、25歳以下のU25チケットが出ることになりました。

安価で本格的な室内楽を存分に楽しんでもらえたらと思います。3日とも素晴らしい曲が集まっていますので、どの日もお楽しみに!

万が一宿泊を考えていらっしゃる方は、ホールの真横が新しいホテルです!

ファミリー公演も、子供さん向けだけではなく、学生さん、大人の方お一人でも存分に楽しめます。流山は子供が多く、ファミリー公演は早めに売れてしまう可能性大です。こちらもお聴き逃しなく!

NAGAREYAMA国際室内楽音楽祭 出演者紹介!

ラストを飾るのは、ファミリーコンサートのナレーション山口由美さん。その昔、とあるファミリーコンサートのナレーションとしてご紹介を受けたのが出会いの始まり。明るくて、優しくて、素敵な方です。

彼女はボサノバ、陶芸、展覧会までしてしまうアーティスト。彼女のワンちゃんの陶芸シリーズ、可愛すぎて、全部欲しい。笑

ナレーションひとつでも全力で取り組んでくださり、ご自分でアイテムを用意したりして、最高の雰囲気を作ってくださいます。

ファミリー公演というと、子供むけ?と思われそうですが、昔子供だったあなた!も、間違いなく楽しめる公演です。プログラム紹介は後日行いますが、ファミリー公演も見逃さず!

NAGAREYAMA国際室内楽音楽祭 出演者紹介!

今日は東亮汰さんをご紹介します。まだお会いしたことないのだけど、写真を見て「若い!」と思わず声が出る。笑

最終日に助っ人ヴァイオリニストが必要で、室内楽経験のある優秀な若手をご紹介いただけませんかと、ヴァイオリン界きっての名教師 辰巳明子先生にご連絡したところ、「即答」で東さんをご紹介くださった。それだけでも、ものすごい若手に違いないと感じる。

お会いしたことない、と思いきや、東さんからのご承諾のメールに、

「実は一度共演しています」との内容。なんとNAGAREYAMA室内楽音楽祭の行われるスターツおおたかの森ホールで私たちが桐朋オーケストラと共演した際、オーケストラメンバーだったそう。

世界は狭い。若手へと友情の輪が広がっていくことは何より大切だし嬉しいことで、思わぬところで繋がった喜びは計り知れない。

若手のホープを交えての最終公演は、未来を感じさせる公演となるかもしれません。どうぞみなさん、お越しください!

下書きに色をつける?!

「まず音を弾けるようにして、それから表情や色彩を考えます。」

とある学生から、そんな答えがあった。絵で言えば下書きに色をつけていくイメージなのだろう。

でも実際ピアノでは「どんな音にしたいか」で「打鍵の種類」が変わるわけだ。つまり譜読みした「後で」表情や色彩を「つけている」ように感じているその作業は、実はあらためて別の種類の打鍵に変更しているだけ。つまりゼロから練習をやり直していることになる。

音を出す前に、どんな音にしたいかの音のイメージを頭の中で鳴らしていない限り、無駄な練習になる。

それだけではない。弾く前にイメージしている音がなければ、自分が出した音がそれに近いのかどうか比較し、判断する基準がない。

そうなると、練習で聴こえてくる音が良いのか悪いのかは、ミスタッチをしたかどうか、音が抜けたかどうか、ぐらいでしか判断できないことになる。そして音間違いのない、平凡な演奏が出来上がり、それをよし、としてしまう。

おそろしい悪循環。

最近のレッスンで気になるのは、どうしても思うような音が出なかったり、何か悩ましくてレッスンを受けに来ている人がほとんどいないことだ。むしろ彼らは、先生が自分の演奏をどう言ってくれるか、あるいは何か「アイディア」をくれるのではないか、といったものを求めていて、何かに「渇望して」レッスンに来ているわけではないことが非常に多い。

もっと端的にいうと、「自分の演奏にある程度満足している」状態に見えることが多い。

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とある生徒さんが、今年コンクールをいくつか受けたい、と相談してくれた。本心を伝えるか本当に迷ったが、きちんと理由を説明して、とりあえず1年間、まずはじっくり一緒に勉強して、成長が見えたら来年から少しずつコンクールを考えませんか、と提案した。コンクールを受け続ける人生を歩んできた中で、1年も受けないなんて、と焦る気持ちがあるだろうに、その子は、きちんと自分で考え、一緒に一度立ち止まり、じっくり勉強する道を選んでくれた。

こちらも、そうなるとその1年でいかに変化させられるかの大きな責任を背負うことになるが、「必要な時間」というものはかけざるを得ず、それをすっ飛ばせばいつかその子は壁にぶつかる。そう信じ、地道に毎週のレッスンを重ねている。

そうこうして数ヶ月。まだ本当に少しではあるけど、毎回のレッスンで何か変わりつつある様子が見えている。着実に何かを身につけていっていることは確かだ。私も焦らずじっくり育てたいと強く願っている。

一瞬立ち止まり、じっくり考え、そして新たに歩みだす一歩は、きっとその先の大きな手応えとなって戻ってくる。

村田理夏子の公式サイトはこちらから