ブラームスの醍醐味は、その磨き抜かれた曲作りに潜んでいる。本能に任せて、ロマンチックに…なんていう演奏では、本来の曲の魅力、格調、表情は生み出せない。
それこそ、「分析」という堅苦しい言葉が、実は音楽の魅力の秘訣だとわかったとき、曲を本当の意味で知る作業が尊いもの、そして面白く感じられる。
ブラームスをとりあげる第1回の今回は、そういったブラームス世界を覗き親しむヒントが散りばめられた講座になりそうだ。
パスカルが「前置き」と読んで話す冒頭のブラームスの若かりしころについての話は、実はここに全てが集約されているというぐらい、大切で興味深い話となりそう。そういうことか!という発見が山のようにある。
その後、ラプソディと作品118を通して、曲がどのように成り立っているか、どこに何が隠されているか、宝を引き出すように丁寧に丁寧に紐解いていくこの講座は、いわゆるここをこうやって練習して、といったものとは一味違い、今後ブラームス作品への見方がいっそう深くなり、面白くなり、練習するのも、指導するのも、聴くのも、全てが面白くなりそうだ。
