嫌なものを排除し、自分の周りに自分好みだけを集めていく。そんな自分主義を最近身近な人にも目にすることが増え、深刻な状況だと感じることがよくある。
何か気に入らないと、それは周りのせい。周りが悪いから自分がこうなるんだという見方、つまりは意識的か無意識か、「自分は正しい」 という立場での発言になっていく。
そうなると、自分は正しいのに何かが不満だ。そうだ、周りのせいだ。という思考回路になってしまう。
世の中はバランスで成り立っている。様々な意見があるからこそ、バランスが取れている。
野菜が体にいいからと、野菜以外を排除し野菜だけ世の中に生産したら、やはり別の病が生まれるだろう。家の一部分が傷みだしたからと、傷んだところを排除していけば、骨組みしかのこらない。そして、傷んだとおもっていた箇所が、実は骨組みを守ってくれていたことに気づいた頃には、骨組みも傷み始めている。
大切なことは、バランスよく包括的に成長させていくことなのであり、バランスが崩れている場合その原因を突き止め補強、あるいは補修すべきであり、排除が最良とは限らない。
そして自分に都合の悪いものを排除すれば、よくなるに違いないという短絡的な考えで排除していくと、気が付いた時にはひとりぼっち…になる危険が隣り合わせだということも忘れてはいけない。
世界中が今、巻き戻しボタンを押したかのように急速に恐ろしい時代に戻って行きつつある気がする。