あのぉ、急いでいるのですが…

パリの空港で搭乗ゲートに向かうときのこと。途中の荷物検査がスムーズに進むよう、搭乗口に向かう出国手続き場には優先レーンがある。優先レーンは通れる人が限られているので、長い列に並ばず、手続きが早く終わるのが利点だ。
今回私も持っていたマイレージカードのおかげで優先レーンに回してもらえた。とにかくお腹が空いていたので、一刻も早く荷物検査を終えたかった私は一安心。
その優先レーンでチケットを見せようとしたところ、入り口担当のフランス人お兄ちゃんが、私の前に並んでいる中国人の対応をしている。よく聞くと、なんと中国語で会話しているようだ。
すっごーい!
と驚きながら、目を丸くしているうちに、私の番。
すると今度は、こんにちは♪
と日本語も話すではないか。
ここで、
すごいですね!
と言ってしまったのがいけなかった………
調子に乗った彼は、
オツカレデスカ?
イーデスネー
と片っ端から日本語放出。そして とまらなくなってしまった………
(しまった……)
ヒコーキ?
アナタハ アナタハーー
(だから何?? イラッ……)
トナリノカキワ ヨクキャキキャキ
…………(隣の柿ではない。。しかも噛んでるし。イライライライラ…..)
ナマムギニャマギョ…
ピョコピョコピョピョ…
(カエルぴょこぴょこ を言いたかったらしい。)
……………ってか、ここ早く通して………
こうして持ち札全てを披露した彼は、
イッテラッサー
と私を見送ってくれた。
サービス精神は良いのだが、彼が担当すべきは優先レーンではないような。。。。。
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【桐朋学園音楽学部ピアノ科の学生さんへ】

お友達とグループレッスンに参加しませんか?
数年前からPascal Devoyon先生が来校のたびに、グループレッスンを行っています。特別レッスンとは違って、高校生から大学生まで誰でも好きなように参加できます。

グループレッスンって何?

みんなが作った少人数のグループで、みんなが考えたテーマを元に、Devoyon先生と2時間一緒に音楽について考え勉強します。

どうすれば参加できるの?

グループ参加希望の場合:教務課に次回のDevoyon先生の来校時期と、申し込みしめきりを尋ねて、お友達同士で4人程度から最大で6人までのグループをつくります。そして、みんなで話し合い、テーマを決めたら、教務課に申し込みます。
個人参加を希望の場合:こちらでグループを編成しますので、お一人や二人でのお申し込みも可能です!グループが編成されましたら、みなさんでテーマを決めていただきます。
参考までに:これまであったテーマは「フーガ」「変奏曲」「バラード」「ラヴェルとドビュッシーの違い」などなど。これと同じでも良ければ、ほかにどんなテーマでも構いません。授業には、テーマに基づいて、いくつか曲を用意してくださっても構いません。その場合は、希望があれば演奏してもらう場合もありますが、授業は普通のレッスンではありません。みんなが立ててくれたテーマに沿って、それらの曲をもとに一緒に考え勉強する形式です。内容が充実するために、演奏時間は全員あわせて長くても20-30分程度に収めるようお勧めします。
まだよくわかりませんか?百聞は一見に如かず。まずは申し込んでみませんか?きっと、とても実りある時間になりますよ!
DEVOYON先生の次回の来校予定
2016年10月10-13日 および 10月17-20日
締め切り:学内掲示をご覧になるか教務課にお問い合わせください
お申し込み先:教務課 正田様

脱力について (2)

(続き)
そして、もうひとつ、ピアニストに不可欠なのに、かなりないがしろにされているものがある。それは背中。背中といっても、肩甲骨の周りにある大きな筋肉だ。腕というのは、鳥の羽と同じく背中の肩甲骨のところから生えている。肩からではない。肩はただの通り道だ。だから肩を上下させると、背中から指までの道筋を邪魔するだけなので、何の役にも立たない。
その背中が働いていない人が本当に多い。猫背や前かがみというのは、背中の筋肉が休んでしまっているので、腕を支えていない状況になる。そうすると、腕は完全に弛緩をしてしまっているから、当然ずしっと重さが指先にかかる。そうなると、速い個所や軽い個所などは当然弾きにくい。なんとなく重くて弾きにくいぞというからだからの本能を受け取った本人は、なんとか腕を軽く感じたくて、肘を横に張り出したり、肩をあげたり、肘から肩の間の腕を無理に持ち上げたり、という癖がついていく。こういう人が本当に多い。
肘から弛緩なんてしない。膝から弛緩して歩くだろうか? 変な歩き方になってしまう。膝は、柔軟にしておくことで、足の動きについて来ているだけだ。膝から足を出しているのでも、膝から緩めているのでもない。肘も同じ。肘から何かをしているのではない。
ピアノを演奏するとき、よほどの音量を要する箇所でない限り、腕全体や体全体の重さなどが求められることは少ない。肘から先の前腕までで十分なことが多い。つまり、それ以上の重さがかからないために、実は背中で腕を始終支えているのだ。私はこのことが分かってから、かなり演奏が変わった。つい最近のことだ。背中で支えることを覚えてから、以前よりかなり自在にコントロールができるようになった。楽になったのだ。
本当の意味の弛緩。つまり必要なものは働き、必要ないものを除く感覚がつかめた生徒はみな、「こんなに楽なんですか?」という。耳や頭、集中力は本当にきついが、体力的には思っているより楽な作業でなければいけない。そうじゃなきゃ、2時間のプログラムどころか、連日本番のあるプロの人など、体がもたないことは明らかだろう。
脱力・・・この言葉が悪いのかもしれないが、これをつかむかどうかは本当に大きな転機となるだろう。私が出会うひとに、我慢強く、伝えていけたらと願っている。
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