これまでにもブログで紹介したように、飛行機に関しては、不時着、消防車さわぎ、煙騒動、空港閉鎖、戦争開始による飛行中止…それはそれはいろいろな珍事に出会っている。
そしてまた、初体験があった。それは
着陸やり直し。(*_*)
ベルリンからパリに飛んだある日。パリに近づき、
『まもなく着陸です』
のアナウンス。外を見ると、飛行機が高度を徐々に下げ、地面が近づいてくる。
そして車輪がでる。
10秒前9…8…といった感じで滑走路に近づき、飛行機が速度を落とした。そしていよいよ着陸。後輪が滑走路を捉えた瞬間、なんと
加速!!!
( ̄◇ ̄;)エッ
タッチアンドゴーってな感じで、滑走路にタイヤが触ったと同時にまた飛行機が上昇したのだ。
ひーーー。なんでなんで??なんで上がる???(◎-◎)
そんな時の飛行機の中はどうかというと
凍りつく シーー( ̄、 ̄*)――ン
というのが的確だろう。平静を装うがみんななんだか落ち着かない。
そして空に上がり旋回をし始めた頃、スチュワーデスさんが冷静な声で、
ただいま着陸が中断されました。詳しい理由や状況はまもなくパイロットから説明があります。
と。
でもスチュワーデスさんもどこか落ち着かない。
そしてまもなく機長からアナウンスがあり、
強風につき危険を感じたので上がった。
という。やり直すかどうかって、あんなにぎりぎりに決めるの??本当に滑走路にタイヤが付いた瞬間だったし・・。あぁ驚いたー。
というわけで、15分ぐらい後にまたやり直したのでした。
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さすが、あの国!
普通、機内食で添えられて出てくるのは
これ↓
そう、塩コショウ。サラダやお肉などに好みに応じて
振りかけられる。
ところが先日旅行した国へのフライトでは
これがでてきた↓
そう、韓国。機内食にも
辛さのもとは欠かせないらしい。チューブを押すと、ケチャップのように赤いものが出てきて・・・・もちろん、辛い!です。(>.<)
それにしても韓国料理っておいしい♪韓国万歳!
本物とは・・
普段はフランスの銀行員。趣味はピアノ。お年は55歳ぐらいだろうか。そんな男性がもうかれこれ何年もプライベートレッスンを受けにベルリンに通ってきている。
ピアノを弾くことが好きでたまらない彼は、あまりに楽しすぎて時々はのめり込み過ぎてしまい、まわりがきこえないのか、レッスン中に私が何か話しかけてもしばらく弾き続けたりもする。
そんな時はもちろん、私がもれなくプチット切れる。笑
えへへ、えへへ、と頭をぽりぽりかき、ここ弾けなくってーと必死に鉛筆でいろんなことを楽譜に書き込み、勉強する、そんな人だ。
そんな彼が持ってくる曲はショパンのバラードだったり、ラヴェルの水の戯れだったり、ときにはモーツァルトのソナタ amollなど本格的な選曲だ。そして毎回必ず暗譜で持ってくる。
パリから年に数回日帰りでレッスンに来るが、レッスン前にも必ずベルリンでスタジオを借りて練習しているらしい。
数年前ふとした雑談の折に、まだ家にピアノがないと言っていた。(つい先日ようやく買ったらしい) なので練習場所は貸しスタジオ。 会社のお昼休みに数駅先のスタジオに毎日行くと聞いて、たまげた。お昼ご飯は?と聞いたら、食べるより音楽の方が面白いと。
ははぁ……これが音楽を愛するということか、と頭が下がる。
そんなある日、バッハに挑戦したいと持ってきた。
いやあ、バッハは本当に難しくて。えへへへ。
全然うまくいかなくて。えへへへ。といつもに増して
頼りなーい感じで、また謙虚な彼。
困った困ったと苦笑いしながら弾いてくれた。確かにまだ少し必死で、指も上手く回らず、いろいろと勉強が必要だ。丁寧にバッハのつくり方や片手でポリフォニーを弾ける方法などを示しながらレッスンしようと思い、ここ、まずは左手だけ弾いていただけますか?
と聞いてみた。左手だけなんて楽譜があっても弾けない若者が多い中で、アマチュアの方にそんなことを求めるのかと言われそうだが、熱心な生徒には真剣にこちらも限界を挑戦してみる。
すると、
暗譜で(!)するするっと左手を弾き続ける。音楽的にはまだちょっとガタガタではあるし、もちろん基本的なテクニックは本格的に勉強している人よりも大変そうで、指がもつれながら演奏している。でも、なによりも暗譜で左手だけを問題なく弾けること、頭に入っていることに感心し、思わず
ベルリン芸大の生徒ですら、左手だけの練習が不十分な人が多いのに、暗譜でお弾きになるとは、感心しました
と伝えたところこんな答えが返ってきた。
あ、それはハーモニーがどうなってるかわからないと覚えられないので、 左だけも一生懸命勉強するんですよ。
と言われ、ほほー、とまたまた驚いた。
そして、とどめ。
もうバッハは難しくて、僕の頭になかなか入らないんですよ。頭にある程度入ってなくてピアノに向かってもうまくいかないので、出勤中の電車の中で、毎日必死で楽譜をこう開いてね、指を動かしてこういろいろ試しながらにらめっこして頭に入れていってるんだけど、なかなか難しい。えへへ。
もう
脱帽・・・ですな。
ピアノから離れて勉強する時間がいかに大切か、頭である程度把握しておくことの必要性、それには時間がかかるから忍耐力をもって毎日少しずつ丁寧に勉強。
これらは口を酸っぱくして、普段から生徒に伝えてきているが、
彼はそれを普段ピアノ触れる時間がないからこそ自分で思いつき、情熱があるからこそ妥協せず、必死で自分への挑戦を喜びをもってしている。
銀行員だから頭が良くて暗譜出来たのではなく、そこにはまさに不断の努力があったわけだ。
いったい何がプロなのか、何が本物なのか。考えさせられる瞬間だった。
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