「坂道を登りながらこう考えた・・・智に働けば角が立つ、流れに掉(さお)させば流される、とかくこの世は住みにくい・・・」夏目漱石 草枕 より
月別アーカイブ: 2012年9月
ハチたたき?
ふらふらっとベルリンでカフェに入り、テイクアウトのコーヒーを注文した。そのカフェにはおいしそうなケーキがたくさん陳列してある。注文を受けるお姉さんはドイツ人。背がすらっと高く、口角がきゅっと上がって、女性から見てもチャーミングな方だ。
私:コーヒー持ち帰りでお願いします。
店員:はい、わかりました。
私に背を向けてコーヒーを準備する間、一匹のハチがブーンと入ってきて、私の周りを飛び回る。軽くお財布で払っているところに、店員さんが振り返った。
お金を払い、コーヒーが入るのを待つ。その間、またさっきのハチが私の手元を飛び回った。
その様子を見た彼女がふとケーキが陳列してあるショーケースの向こう側から、こちらをむいてそーっと何かを持ちだそうとしている。何が出て来るのか、と思うとなんだかプラスチック製のテニスラケットのようにみえる。テニスラケットよりやや小さめだ。
ラケットを両手で握り、その手元にあるボタン?を少し気にしながら、彼女はゆっくりと振りかぶった。
私:え?たたくの???
思わず私が質問すると、
店:そう♡
かわいい顔をして、ハチをたたくという。でも命中しなかったら反撃が危ないと思い、
私:ねえ、それ危険じゃない?
と聞くと
店:私は大丈夫、ハチさんにとっては、ちょこっと危険だけどネ ♡
という。
店:かわいそうだけど、ちょっとショックがあるだけよ (^_-)—☆Wink ♡♡♡
かわいい顔をして、発言が残酷である。
そこでふと思いついた。
私:え、もしかしてそれ、電気ショック??
店:(*^_^*) そうよ♡ だってケーキがあるんだもん。私はケーキを守らなきゃいけないの。
とラケットを持って消えて行った。
電気ショックの<ハチたたき>なるもの、あるんですねえ。
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