ヨーロッパで時々、日本語や漢字入りデザインの洋服などを身に着けているのを見かけることがある。なんだか正直気恥ずかしい。
それでもまだ意味の通っているものは良いのだけど、
たまに、ん??という文字が書いてあることがある。
これまでに、一番強烈だったものの一つは、とある外国のブランドメーカーから夏限定で売り出されたTシャツ。おなかの部分に30センチ四方ぐらいの本当に大きな文字で
“寒”
と書いてあるのだ。その夏のトップ商品なのか、ベルリンのショーウインドウでは6台ほどのマネキン全員が、色違いで同じTシャツを着ていて、まさに
寒寒寒寒寒寒
と並んでいた。本当に寒い・・・おそらく翻訳した人が <涼> と間違えたのであろうと勝手に解釈している。
所変わって昨日、お茶友達Nととある市場を歩いていた時のこと。彼女がふと、
前の女の人の背中・・・といって笑い出した。このところはやっているのだけれど、タトゥーといって刺青に似せて皮膚に直接絵や字を入れている人がいる。前を歩いている彼女もその一人。
後ろから見た感じおしゃれな人っぽい。背中の辺りが大きく開いたトップを着ていて、その開いた首筋から背中にかけたあたりに、よく見ると漢字のタトゥーが入っている。
なぜか小さめに遠慮気味ではあるが、縦書きに書かれていたのは
生活
Nと二人で笑い転げてしまった。寄りによって”生活”って・・・。LIFE、つまり”命“とでも書きたかったのだろうか。一生消せない刺青ではないことを祈る。
知らぬが仏とでも言おうか。私がベルリンに来て間もない頃、学校のそばで信号待ちをしていたら、あるドイツ人らしきおじさんが嬉しそうに話しかけてきた。おもむろに出した小さな箱。見知らぬ私に7センチ四方ぐらいのその箱を開けてみせた。中には、5センチ四方ぐらいの赤い座布団にすわる、小さな7福神のお人形。とてもかわいい。
ドイツ語が多少聞き取れても、話すことがまだほとんどできなかった私は微笑むのが精一杯。だいたい都会の交差点の信号で、見知らぬおじさんに赤い座布団にのった7福神をみせられている私って・・・そんなにスキがあるのか、私。汗
そのおじさん、嬉しそうにそれを私に見せながら、弁天様を指差し、一言。
おじさん:ぼくこれ何か知ってるよ!
GE-I-SHA♪
といって、青になった信号をさっさと歩いていってしまった。
私:あの、おじさんそれ芸者ではなく・・・・
と呟く私を尻目に、彼は今も、弁天様を芸者と思い続けているかと思うとどうも・・。
ちなみに、日本でのブランド コムサ ドゥ モード(Comme ca du Mode)と書かれた
手提げを持ってベルリンに帰ったら、フランス人の私のだんな(以下D)がいきなり
D:なにそれ?
とひとこと。
私:これ、フランス語でしょ。日本のファッションブランドだよ。
といったら、
D:それ、何の意味にもならないよ。フランス語なの??
とあきれられてしまった。何の意味にもなっていないらしい。
知らぬが仏。お互い様か・・・。
月別アーカイブ: 2007年8月
ご案内
ムジカノーヴァ7月号に、このブログでもたびたび登場しているPascal DEVOYONの
インタビューが掲載されました。是非ご覧ください。
また、その際のインタビュアーであった評論家の真嶋雄大さんとは、その時初めてお目にかかったのですが、大変気さくですばらしいお人柄です。彼のブログは充実していて面白いですよ!私たちのことも8月20日欄に記載してくださっています。
真嶋雄大さんのブログはこちらから:
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