ぱったんぱったん、どっかんどっかん・・・。レッスン室に、ときたま鳴り響く音・・。この騒音は、そう、
<ペダル>
工事現場かここは・・(-_-#)
前回のブログでかいた、Give and Take。ペダルでも、まったく同じく:
1) 足がペダルと”接触”状態にあること。
2) 踏んだ後の戻し方にも十分に意識を払うこと
が不可欠である。
ところが、緊張すると足がペダルの底までしっかり入りそのまま動かない、という車でいうブレーキの役割になってしまうケースが多々ある。
実際には、ペダルの底に達するまでには、踏み入れる“段階”が無数にある。(ウナコルダも同じ。)一番底まで踏むことは、とても“まれ”だと思ってほしい。(底のほうまで踏まないと全然きいてくれない、という調整の悪いピアノの場合はもちろん別だけど。)
ためしに、ダンパー(ピアノの弦の上側にあるやわらかい綿)を見ながら本当にゆっくりゆっくりとペダルを踏んでみて欲しい。しつこいが、ゆっくりゆっくり踏み入れる。
ある時点でダンパーがそっと弦から離れ始める点がある。この瞬間を足でつかむ。ダンパーが弦から離れる瞬間こそペダルがかかり始める点だからである。この点を足のどこでつかむかというと、足の指の付け根よりもう2-3センチ下にある硬い部分。ここが一番微妙なコントロールがし易いため。ここで、ペダルがきき始める地点をすばやく捕らえて、あとはその前後(上下)ほんの少しの間でペダルを踏んだりあげたりする。それがほぼ80%のペダルの使い方。
ピアノの調整によっては、かなり深く踏み込まないとダンパーがあがらないペダルがある。この場合、いくら上っ面のほうでこまめに踏み変えても、無意味ということになる。
もうひとつ、コントロールのために必要なのが、かかと。かかとが浮いてしまっては、コントロールがしづらい。女性の場合、演奏会用の靴にヒールがあるのは当然だけど、あまりヒールが高いもの、あるいはかかとが異常に細く滑りやすい靴はペダルのコントロールの妨げになるので注意してほしい。かかとが”支点”として、軸になっている必要があるためである。
これらのことは、わかっている人が多いと思うが、音の多いところ、難しいところ、盛り上がったところなどになると、意外とペダルへの意識が薄くなり、”踏む” “はずす”というOnかOffかになってしまう。また意外に多いのが、緊張などで、ペダルの戻りにまで意識が行かず、乱暴にはずしてしまい、ペダルが激しく戻るときのかなり大きな雑音を生んでしまっているケース。せっかく指で美しい音を作り出してもペダルのせいで騒音になってしまうのである。
美しい音質の邪魔になる騒音が3つある。
1) ペダル(とくに乱暴に戻すとき)
2) 鍵盤に指があたる音(高いところから打鍵するため)
3) 鍵盤の底に指が当たる音 (必要以上にあたるため)
この3つを避けなければいけない。
ペダルは何のために踏むのか。
それは
“色”のため。
音を伸ばすためでも、弾けていないところを隠すためでもなく、
ペダルをつけるからこそできる”色”がある。その意識で使ってみて欲しい。