さすが芸術の街? (2)モスクワ2010 公演①

そんな恐ろしい思い出とは裏腹に、今回の旅はDの晴れ舞台を芸術の本場、モスクワで聴くと言う何とも楽しみなもの。
古くからある伝統の チャイコフスキーホールがその会場だった。2夜連続の演奏会で、初日はオーケストラとサンサーンスの協奏曲4番、そして翌日はソロリサイタルであった。ホールはこんな感じ。(写真をクリックすると拡大されます!)

まず協奏曲の日。19時の開演というので18時50分ぐらいに私は着席。ぎりぎりにホール入りしたと思ったのに、1700人近く入るホールは、開始10分前にもかかわらず、まばらな聴衆しかいない。
そして19時。開演時間のベル。ベルは既に15分前ぐらいから鳴り始め、これでもう3度目である。すると、そこからぞろぞろ、ぞろぞろっとお客さんがホールへ入り始める。
みなさん、開演時間ですよねぇ、既に・・・・。(・ε・)/
ぎりぎりまでワインなどを楽しんでいたのだろうか。みなぜーんぜん急ぐ様子もなく、席へ。そしていつのまにか、その1700席が満席となったのである。皆が客席してホールの明かりが落とされたのは19時15分だった。
モスクワ人は半端無くマイペースである。
あとでDに聞いたところ、最近のロシアでは当たり前に15-20分遅れで演奏会が始まるとか・・・。驚いた。
やっと始まると思ったら、何やらアナウンス。ロシア語なのでなんとなく想像できる言葉だけをかいつまんでみたところ、こんな進行だった・・・
と思う。(^_^;)
-今日はフランス音楽をテーマとした演奏会です、という紹介。
-フランス大使館などからの招待客への御礼と、紹介。
-今日のソリストの紹介。
-今日の指揮者の紹介。
-プログラムを一曲ずつすべてアナウンス
つまり・・アナウンスが長い・・・。とても長い。(`□´)
そして、やっと1曲目のアナウンス。たった今、全曲紹介したばかりなのに。
アナウンス:ではフランクの交響曲です。指揮者はマエストロ、OXOXOXOXです!!
と流れ、拍手が起こる。一度拍手が鳴りやみ、舞台右手にあるカーテンに皆が注目。そして、それが かなり勢いよく、
サッ!! 
と開いた。どうみても、カーテンの後ろに人が控えていて、その人がくす玉をひっぱるように、思いっきりカーテンを開いた、という”手動感“にあふれていた。
たとえるなら、紙芝居のはじまりのような感じである。
そしてマエストロOXOXOXOXが登場。演奏が始まった。前半がシンフォニーというプログラムで、そのまま休憩へ。次はDの出番である。どきどき。
ホールの明かりが落ちたと思ったら、またアナウンス・・・・。
-曲目は、サンサーンスピアノ協奏曲第4番です!(さっき言ったよねぇ)
-ピアニストはフランス人、Pascal DEVOYON! (ってかさっき聞いた)
-指揮者は、マエストロ OXOXOXOX!!!! (だから、さっき・・・怒)
そして拍手。それが一度止まり、カーテンへ注目。紙芝居カーテンが
サッ!!とあく。
同じである。(-_-メ)
こことでふと気がついた。舞台の中央にあるパイプオルガン、舞台左の壁、右の壁、それぞれにうっすらと違う色の光が当ててある。薄い紫、薄い青、薄い赤であろうか・・・
フランス音楽、ということで演出をしていると思われる。舞台に色つきの光なんて・・・どこかのバーのようである。その模様は一番下の写真でどうぞ♪
コンチェルトも大成功!お客さんは、最後の音が終わる前に既に手拍子での拍手。気が早い!笑 あこがれのモスクワでのDの舞台ともあり、想像を絶するであろう彼の緊張を考えると、なんだか感無量だった。
そして最後は、デュカスの魔法使いの弟子。これは2台ピアノで私たちもCD録音していることもあり、非常に楽しみ。
いうまでもなく、アナウンス。
―次はデュカスの・・・
-指揮者は マエストロ OXOXOXOXO!!!
っていうか、1つの演奏会で、指揮者は変わらないでしょうが・・。(+o+)
ここでマエストロの名前が代わっていたら、こっちも驚くが、もちろん同じである。なんで毎回そこまで気合を入れて マエストロOXOXOXOXOXをアナウンス必要があるのだろうか。Dによると、古い伝統らしいが。(`-´メ) プンッ
演奏はこれまたすばらしく、それに加えてデュカスという作曲家の素晴らしい才能に改めて感動した。映像が浮かぶようなこの作品のすばらしさだけでなく、それを二台ピアノに書き換えてもオーケストラの世界がまったく失われていないのだと心から感じ、彼の編曲への才能へもあらためて敬服した。
すばらしい“紙芝居”演奏会だった。←(;`O´)oコラ
演奏会の模様 (照明が・・・カラフル・・・汗)
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(次号に続く)
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