先日、以前教えていた生徒が留学を終えて帰国し、再びレッスンに来てくれた。何年ぶりだろう。聞いてみたら、12年ぶり。そしてなんと、彼女は当時私が彼女を教えていた時の年齢になっていた。
私は30歳の時、とある決意をした。それは、本格的な「良き指導者」になること。
「クラシック音楽界の未来を開くには、生徒よりも、まず先生の質を上げることが急務だ」と、とあるドイツの第一線で活躍する指導者が話していた。
良き指導者が増えれば、良い音楽家が増えるきっかけになるかもしれない。
とはいえ、私が目にしてきた本物の指導者たちは「深い教養、良い耳、幅広い知識、判断力、応用力」を兼ね備え、しかも「人間としてかなりの高みがある人」ばかり。
先生としての「手柄」など一切求めず、音楽と生徒に真摯かつ全力で向かう姿を見てきた。
なんて果てしない目標…
こうして、良き指導者を目指しての私の一生をかけての勉強が始まった。
久々来てくれた彼女は、レッスン後、こういってくれた。
「今、自分が生徒を教える立場になって、自分の中でまだ曖昧な部分がはっきりしてきた。自信を持って教えられるよう、さらにレッスンに来て学びたい」と。
指導者としての自覚と責任を感じ、より一層自分が学びたい、という言葉。私にとってこれより嬉しいことはない。
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