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NAGAREYAMA国際室内楽音楽祭の楽しみ方♪

5/3の第1公演デュオの続き。

チェロのZhao。彼女は世界のアルゲリッチに認められた世界を羽ばたく、超有名チェリスト。

溢れ出る音楽性はもちろん、ものすごいテクニックにも驚かされます。今回のマルティヌーソナタは、かなーーーり難しく、苦労するチェリストさんも多々いるのですが、さらさらーっとお茶漬けのように弾けてしまうすごいチェリストです。

体に染み込んだ彼女の音楽性で奏でられる民族性に富んだマルティヌーのチェロソナタは必聴です。

余談ですが、マルティヌーのお父さんは、町の教会の塔で火事の見張りをするお仕事。なんと塔の上に住んでいて、マルティヌーもそこで生まれ育ったという、面白い背景を持つ作曲家です。

教会の塔で育ち、内気で多くの本を読んで過ごしたという青年はどんな作品を書いたのでしょう?お楽しみに!

プーランクとピアノの組み合わせは日本を代表するフルーティスト工藤さんとDの共演。フルートは実は素人には音を出すことすら難しい楽器なのですが、工藤さんの凛とした佇まいから出される伸び伸びした優しく美しい音は、10月のプレイベントでも極上の空間でしたね。

対するDについてもひとこと。彼は言葉にならないほど豊富な室内楽の経験があります。あらゆる楽器とあらゆる曲を若い頃から演奏してきたこともあり、どんな演奏家を相手にも柔軟に寄り添い支え合うところが魅力です。

プーランク フルートソナタは、プーランク自身が初演をしたそうで、2楽章は単独で演奏されるほど美しいそうですよ!

それこそクラリネットのチャーリーは、それはそれは自由な演奏が大の魅力。小柄でチャーミングな彼は、世界を代表するクラリネッティスト。クラリネット界で彼を知らぬ人はいないほどの名奏者。舞台を踊る様に動きながら演奏するのも特徴!天性と言える自由さを持つ演奏ですが、それについていくのはピアニストにとって至難の業。Dとチャーリーの掛け合いも注目です。

ブラームス  クラリネットソナタは、ブラームス が作曲意欲を失い、しばらく曲を書いていなかった時代、ミュールフェルトという素晴らしいクラリネット奏者の演奏に出会い、その音色の美しさに創作意欲が復活し、そこから立て続けにクラリネットの室内楽作品を書いたときに生まれたというのは有名な話ですね。このブラームス のソナタは名作中の名作。世界を代表する名クラリネット奏者とDの極上の共演は必聴!

次回のブログは第2公演の楽しみ方!お楽しみに!

チケット予約は下記サイトでできます。

https://www.otakanomorihall.com/news_list/news_3030/

Nagareyama国際音楽祭 楽しみ方♪ 1日目(5月3日)

開演は14時。まずは開演前に是非おおたかの森駅の周辺でランチとお散歩を!

駅前は本当に素敵で、ぶらぶら歩くだけで幸せになる空気がありますよ。

第1公演は 「デュオ公演」と題しました。この公演は、室内楽をもっと良く知りたい!楽器をよく知りたい!と好奇心旺盛で色んなものを味わいたい欲張りなあなたにピッタリ!

室内楽の中で、デュオと言って2人で演奏する形式です。パッと思いつくのはヴァイトリンとピアノですが、今回は面白い組み合わせが目白押し。

フルートとピアノ (工藤、Devoyon)

チェロとピアノ(Zhao、村田)

ヴァイオリンとハープ(Graffin、吉野)

クラリネットとピアノ(Neidich、Devoyon)

ヴィオラとピアノ(KIM、村田)

デュオ公演の楽しみは、何と言っても

ー各楽器それぞれがどんな楽器なのか

ーどんな音がするのかな

ーどんなふうに弾いているんだろう?

などと、それぞれの楽器演奏者が一つ一つがくっきりと目にみえ、くっきりと耳に聴こえる面白さ。

見ての面白さと言えばたとえば、ハーピストの足さばき!これは絶対必見です。足ですよ、足!神業としか言えません。エレガントな佇まいで高貴な演奏をされる吉野さん。デュオだからこそそんなところまで楽しめるかも? 

ヴィオラの出す音は、歌で言えば少し声が低め、という特徴があり、例えばヴァイオリンと一緒に弾くと、ヴァイオリンの華やかな音に対して目立ちづらいのですが、実は室内楽では、この隠れたヴィオラ奏者の腕前によって、室内楽全体の印象がガラッと変わるというぐらい、かなり大切な役割です。今回のKIMさんは、韓国でも室内楽で引っ張りだこの超名ヴィオラ奏者!彼の美しい音でヴィオラという楽器を存分に味わえるのは、このデュオ公演の醍醐味です!

曲はシューマンのおとぎの絵本。文学、おとぎばなし好きだったシューマンらしいタイトルですね。これは子供向けの作品ではありません。誰でも子供のころ、出会うもの全てが、不思議で新しい世界だったはず。私たちも一瞬、童心にかえり、おとぎの世界を旅するかの様なタイムマシンでの素敵な旅をこの曲で味わってみませんか?

5/3のデュオ公演、聴いてみたくなってきましたか?次回も続けてデュオ公演の楽しみ方をご紹介します!

チケット予約は下記サイトでできます。https://www.otakanomorihall.com/news_list/news_3030/

『Nagareyama国際室内楽音楽祭2022』を存分に楽しもう!(1)

ところで室内楽って何?

そもそも、どうしてこんな名前なのかというと、

どうもバッハなどが活躍していた16世紀ごろは、

1)教会で奏される宗教音楽

2)劇場で演奏されるオーケストラ

に対して、

3)貴族の住まいの広間で演奏される、宗教系ではない音楽

と主に分類されていたようで、その3) 広間で奏される音楽を室内の音楽→室内楽と読んでいたようですよ。

その後、時代を経てその3分類から様々に変化をして、今では

2人以上で演奏する合奏曲(アンサンブル)といった感じですね。

で、私たちが「室内楽」「音楽祭」にこだわる理由がいくつかあります。

1)室内楽では スター!はいない。

 室内楽では、一人一人が必要な部分(パート)を演奏して、全員で一つの作品を作ります。

わかりやすい例だと、「人文字」ですかね。みんなで1つのアートを作る。誰1人特別目立つわけではないけど、誰かが欠けると困る。笑

スター=主役がいるとすると、それは作品自体かもしれません。

そんな「全員」で作るアートだから、演奏グループによって出てくる色合いも様々で魅力たっぷりなわけです。

2)音楽祭では、様々なグループの演奏を一度に味わうことができます。例えば「弦楽トリオコンサート」だとどうしても弦楽トリオだけになりますが(それも別の魅力ですね)音楽祭では、トリオはトリオでも様々な組み合わせがあったり、トリオに限らず、4人だったり5人だったり。。。

いろんな楽しみが目白押し!なわけです。

3)音楽祭だからこその出会い

普段あまり演奏されない名曲をそっとプログラムに交えることができるのも、音楽祭の醍醐味です。奏者、組み合わせが多彩なので、演奏できる曲の選択肢も増えます。たまには、珍しい名曲に出会えるのも嬉しいですね!

そんなこんなで5/3から始まる音楽祭。次回のブログからは、それぞれの日の楽しみ方をご紹介してみようと思います!

『国際室内楽音楽祭が千葉県流山市で生まれます!』

まさか!というメンバーが私たちの地元流山(千葉)に集結します。コロナで2年延期となったこのNagareyama国際室内楽音楽祭。ようやく開催に漕ぎ着けられそうな気配です。涙

私とDがプロデュースを務めさせていただき、国内外から、まさに世界第1線で演奏活動をする最高のメンバーが集まってくれることになりました。

5月3、4、5の3日間、極上の室内楽を楽しんでいただきたいと思います。

いくつかご紹介させてください。
○会場について。
つくばエクスプレスの流山おおたかの森駅。最近は東京近郊の人気スポットとして度々テレビでもお目見えしているというこの街。秋葉原から快速で25分。
その駅前には大きなショッピングモールができ、大変お洒落な街で、休日は大賑わいです。その駅前に、なんと室内楽に最高の響きを持つコンサートホールができました。
その会場:「スターツおおたかの森ホール」で、2022年5月3、4、5日に音楽祭は開催されます。

○コンサートの時間について
コンサート前後にショッピングやお茶などを楽しんでいただける様、演奏会は午後の早めの時間に設定してあります。

○そしてチケット料金!!
流山市と関係者様の多大なご理解とご協力があり、「たくさんの方々に身近に室内楽を楽しんでいただきたい」というあまりにも嬉しくありがたきお考えもあり、各公演が3500円に設定されています。
そして後日ご案内するファミリー公演はなんと1000円!

これから、私のブログ(www.rikakomurata.com/blog)でそれぞれの日のプログラム、聴きどころ、楽しみどころを書いていきますので、どうか関東の皆さん、もちろん遠方の方も、そしてクラシックに詳しい方もそうでない方も、どうぞこの機会を逃さず聴きにいらしてください!

次回のブログお楽しみに。



チケット予約は下記サイトでできます。https://www.otakanomorihall.com/news_list/news_3030/

テクニックの基礎をおさらいしませんか?

ピティナさんのご協力を得て、4月24日に講座を行います。90分という限られた時間で、ピアノという楽器を操るための、基礎の基礎を一度おさらいしませんか?

思うように操れるようになると、イマジネーションも膨らむのだなと、最近感じることがあります。イメージに振り回されるのではなく、匠の技を磨く、そんな基礎になる講座ができればと思っています。残席とても少なくなっています。ご検討ください!

ピティナ・ピアノセミナー (piano.or.jp)

ご案内

待ちに待った暖かな春を感じさせる空気の日々。

それとは裏腹に、 ウクライナの惨状のニュース。

とても複雑な気持ちで過ごす毎日が続いています。 私とDのそんな気持ちの曇りから、私たちがエイッと勇気を持って前へ歩み出せる為にも、今日は5月18日に予定されている公演のお知らせをさせて下さい。

コロナ禍で幸か不幸か、ある程度の時間ができ、私もDevoyonも自分と向き合う 日々が続きました。そして、今自分達が最も挑戦したいプログラムで
4年ぶりのスペシャル公演を開催させていただくことにしました。

「エチュードの芸術」

ショパン 練習曲作品25 全曲(村田)
ドビュッシー 練習曲 全曲 (Devoyon)
プーランク 2台ピアノのためのソナタ
(Devoyon、村田)

あまりに敷居の高い名曲の前で、毎日が模索の真っ最中ですが、 5月には今の私たちにできる最良の形で演奏会を迎えられればと願っています。

この公演にお一人でも多くの方に応援にいらしていただけましたら、 これほど心強く、ありがたいことはありません。お時間をとっていただけそうな方がありましたら、 1枚でもとても嬉しいのでメールで ご返信頂けましたら幸いです。
kurumiberlin@gmail.com
すぐに手配をさせていただきます。

一般6000円 学生4000円
場所は上野の東京文化会館(小)です。

最後になりましたが、誰もが互いを尊重し、平穏に暮らせる世の中が 1日でも早く訪れることを願いつつ。
村田理夏子、Pascal Devoyon

ほどほどに!

前回、ニックネームでイメージが膨らむ反面、思い込みの危険もあるという話を書いた。

そういえば以前, 知り合いの作曲家の友達と話をした時、こんなことがあった。

久しぶりに会ったランチで、なんと自作のCDをプレゼントしてくれた。各曲に素敵なタイトルがついていたので私が

私: こういうタイトルって、どうやって考えるの?

ときくと、なんと

友達: あーこれねぇ、曲ができてから複数のスタッフに聴いてもらって、印象を題名にしてもらったの。

と。

へえええ!と驚いた。

もちろんイメージを持って書いているのだろうけど、それをあえてタイトルにしないのか。

でも確かにドビュッシーの前奏曲は、曲頭に題名が書かれておらず、各曲の最後にドビュッシーなりの題名を書いている。まるで、「僕はこんなイメージで書きました」って最後にポツッと語っているような。

作曲家としても、聴き手の自由なイメージを持ってもらう喜びもあるのかなあ。

もちろん自分勝手なイメージではいけないので、作曲家について調べたり、他の作品を見たりしながら作曲家の方向性を知りつつ、イメージを膨らませる。

教養と詩心のバランスが絶妙な魅力を生むのかな。

考えさせられるランチだった・・

モーツァルト!

恒例となったカワイ表参道でのDの講座。今回2/9は「モーツァルト」です。

これがまた…すごい。絶対必聴!

2つの作品を通して「モーツァルト全般」に役立つことに絞ってあるので、今後のモーツァルトの練習がますます面白くなりそう。

知っているつもりで曖昧だったことをなるほど!としてくれることがいっぱい。例えば、

モーツァルト時代と今では楽器が違った

それは知ってる(と思っていたが)

じゃあ、演奏するとき具体的に何に気をつければいいの?

….あ…..汗💦

それと、モーツァルトはどうしても、音がコロコロ動くだけでのっぺらぼうのつまらない演奏になりがち。そこで、

今回はソナタKV311 Ddurを用いて、

装飾音、アーティキュレーションさまざまな材料を用いてどうやってモーツァルトを面白くできるか、かなーり詳しくみていきます。

そして2楽章では、最初から詳しく見ていくので、ゆっくりの楽章って、こうやってアプローチするのか!と、

「綺麗なだけ」の演奏

から脱却出来るかも!

キラキラ星では、「変奏曲」ならではの学びの山。

決して子供向け作品ではないですよ!音楽好きの方も、専門家を目指す方も

絶対必聴の回です!

あっぱれ平凡 〜歳をとるのも良いね♪


先日Dがピアノの部屋から出てきて、すごく嬉しそうに:

「ねぇ、こういう風に、このトリルはこうやって入れるのかなあ、とか

そんな他愛のないことに頭を悩ませられるって、幸せだよね」

と話しかけてきた。

不思議なことに、私も全く同じことを感じている瞬間だったので、

すごく驚き、すごく嬉しくなった。

コロナ禍でさまざまに不自由で、身も心も不安定な中、

日常のそんな些細なことが愛おしく感じるようになったのかもしれない。

歳とったかなあ。(`・∀・´)

5月18日東京文化会館での演奏会を控えて、Dと互いに聴き合ったり

意見を交わしたりと試行錯誤を繰り返す中のちょっとした発見など、

些細なことも、これから少しブログでメモして行ってみようかな。

前へ!

この一年は「心底」考えさせられる年だった。

私生活では、想定外のことがあまりにも起きた結果、平凡な日々のありがたさと、それを大切にしたい思いが強烈に強くなったというのが簡潔な表現かもしれない。

ゆっくりと、そして今のこの一瞬を楽しみながら。

音楽面では、2020年にコロナ禍で諦めざるを得なくなったスペシャル公演のあと、完全に消え去ってしまったモチベーションの立て直しに苦しみ、自分にとって音楽は何なのかを考えぬいた。そしてようやく2022年5月18日、4年ぶりとなるDとのスペシャル公演を開催することを決意した。プログラムは一新し、私たち2人が今まさに向きあいたいもの。それがこのプログラム:

「エチュードの芸術」

ショパンエチュード作品25は私が全曲、ドビュッシーエチュードはDが全曲担当する。

私個人にとっては2018年のオールラヴェル公演が、自分の音楽に対するあり方を大きく変える公演となった。変えるというより、変わったのを強く感じた。

あれから4年。

5/18の公演「エチュードの芸術」では、将来の芸術界を担う若者、音楽を愛する人たちとこの時間を共有し、音楽という私たちに与えられた贈り物へ、そして芸術を残してくれた先人へ思いを馳せるひとときになることを願いつつ…

2022年も、笑顔多き一年となりますように!